茶帯空手修業的

四十歳からの空手18・他流派との稽古

「遠慮いらんで。思いっきりきてや。かめへんから」 たまたまクライアントでとても仲のよい人が、高校時代に空手をやっていたという。私がええ年して空手を習い始めたのを知ると、ぜひ相手をしてあげようとのこと。そこで普段稽古で使っている体育館を特別に…

なぜ石井慧は柔道をやめたのか

練習の虫 ウエイトトレーニングは寝る間を惜しむほど 泣いて「練習させてくれ」と懇願する wikipedeiaに紹介されている石井慧選手の記事の中の言葉だ。彼はまた読書家でもあるらしく、いちばんの愛読書は海音寺潮五郎の『天と地と』だという。テレビではいろ…

黒帯拝受

黒帯をいただいた 8年前、40歳で空研塾に入門したときには、黒帯などというものは自分とまったく関係のない存在だった。当時、私が稽古していた道場で黒帯を締めておられたのは支部長以下3人だけ。その3人を見ていると 「ああ、なるほど。黒帯というの…

四十歳からの空手17・最初で最後の試合

「そろそろ、試合にでてみましょうか」 またまた、いきなりな支部長のお言葉である。空手を始めて、ちょうど一年が経ち、初めての審査を受けて何とか黄帯をいただいた。我が身を自ら叩きまくり、柔軟体操にも励み、そして砂袋をがんがん殴ったおかげで少しは…

顔面組み手

十発めまでは数えていた 昨夜、昇段審査を受けさせていただいた。わが空研塾では昇段審査は五人組み手となる。基本的に三人めまではいわゆるフルコンタクトルールでの組み手、残りの二人が顔面ありルールになる。正確を期すならば次のような規定がある。 一…

四十歳からの空手16・○盛さんがやってきた

黄帯をもらった 何とか審査をパスしたのだ。が、ひと言釘を刺されもした。 「新しい帯の色というのは、帯を出した時点でそれだけの実力があると認めたわけではないので誤解しないでください。帯に色がつく、色が変わるというのは、その帯にふさわしい稽古を…

四十歳からの空手15・初めての審査

そろそろ審査を受けてもらいましょう 稽古を始めて1年ぐらい経ったある日、支部長からいわれた。「審査って私が? あんな恐ろしいことを? マジで? 組手とかするん?」と頭の中を「?」がいくつも飛び交ったのだが、しかし。支部長はにっこりと微笑んでは…

四十歳からの空手14・叩け叩けパート2

18,000円、お願いします 砂袋である。家人にお願いして買ってもらったのである。酒瓶で叩け叩け作戦をしつこく続けたおかげで(→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20080709/1215558985)、少しばかり痛みに強くなった。ちょっとぐらいど突かれたり、蹴られた…

口伝の意味

神は細部に宿る バウハウスの創始者ミース・ファン・デル・ローエが、建築について語った言葉だ。この警句をこれまでは、デザインや文章表現に関するテキストで使ってきた。しかし、真理はあらゆるものに通じるからこそ真理たりうる。そのことを昨日、塾長に…

四十歳からの空手13・審査にビビる

「今度の日曜、昇段審査をやるんですよ。見に来ませんか」 「私なんかが行っても大丈夫ですか」 「できれば、タイムキーパーでも手伝ってもらえると助かりますね」 支部長からお誘いを受けて、審査とはどのようなものかを見学することになった。ほんの少しだ…

四十歳からの空手12・雑誌で強くなる

筋トレは確実に効果があった フィットネスクラブでせっせとウエイトトレーニングとエアロビクス系のトレーニングに励んだ結果は、思っていたより早く出た。考えてみれば当たり前の話で、もともと筋力がなかった人ほどちょっとしたトレーニングでも効果抜群と…

四十歳からの空手11・技は力にあり

「120キロ担いで、スクワットやってます」 松井章圭のビデオを見て「これや。こんな上段回し蹴りを出したいんや」とすっかり感化されてしまった私は、どうすればあんな蹴りを出せるのかと自分なりに考えてみた。 ポイントはいくつかあると思った(このあたり…

四十歳からの空手10・蹴りで往復ビンタ

とにかく組手が下手だった 下手などという生易しいレベルではない。相手と向かい合っても、まったく何もできないのだ。入門して半年ぐらい経った頃だろうか。コンタクトレンズを入れるようにしたので、相手がちゃんと見えてはいる。それが逆に緊張につながっ…

四十歳からの空手9・見えない蹴り

「メガネはちょっと危ないっすね」 うすうすわかってはいた。基本稽古ならともかく、組手稽古は言うまでもなく、本当はミット稽古でもメガネをかけてやるのは危険なのだ。たとえば上段回し蹴りの稽古をするときなどはやばい。 少し話が逸れるが上段回し蹴り…

四十歳からの空手8・叩け、叩け、叩けぇ〜

「いったぁ〜。めっちゃ、効きますわ。もう一発、お願いします」 ひと通り稽古が終わった後のちょっと変わった光景である。青帯の先輩が支部長にローキックを蹴ってもらっているのだ。支部長はその体重がおそらく軽く80キロに達していようかという(もっとあ…

四十歳からの空手7・鼻血出た鼻折れた

「今年最後の稽古なんで、今日は組手をやりましょう」 9月に入門して以降、結局ほぼ一回も休むことなく週2回の稽古に参加した。お父さんは「今日はちょっとしんどいなぁ」と思っていても、息子くんは元気まんまん、ヤル気ガンガンなんである。彼は一日も早…

四十歳からの空手6・このまま帰りたい、な

「お父さん、稽古、行こや」 入門して何とか3ヶ月続いた。よくも続いた理由のうち一番大きかったのは、息子のこの一声があったからだろう。わずか3ヶ月の間には金的を蹴られ、足をボロボロにされ(という受け身的表現は本当はおかしいのだけれど)と何回か…

四十歳からの空手5・足ボロボロ

「きったない、足やなあ。人に見られたら恥ずかしいから、そんなんで短パンはいて、外出たりしんといてや」 稽古を始めて、一ヶ月後ぐらいからぼちぼち組手稽古に参加するようになった。そして、家人からいわれたのが冒頭のいささか辛辣セリフである。ちょっ…

四十歳からの空手4・殴れっと言われても

「いいっすよ。思いっきり来てください」 たぶん入門して一ヶ月ぐらい経った頃の稽古で、支部長から「そろそろ組手やってみましょうか」と声をかけられた。組手というのは、ボクシングでいうところのスパーリングである。すなわち空手の攻防を相手と実際にや…

四十歳からの空手3・金的痛い

「いっぺん、土曜日の稽古にも来てくださいよ」 ある木曜日、支部長からお誘いいただいた。お誘いの言葉はあくまでもかる〜いソフトタッチだった。木曜日の稽古は西部生涯スポーツセンターで行われているが、土曜日は奈良市中央体育館の敷地内にある武道場で…

四十歳からの空手2・初めての回し蹴り

「それじゃあ、とりあえず真似してください」いよいよ息子の付き合いで空手の稽古を始めることになった。私たち親子がお世話になるのは空研塾という流派の奈良支部である。空研塾とは略称で、正式には空手技術研究塾というらしい。流派にとらわれずに、各流…

四十歳からの空手1・始まりは仮面ライダー

「お父さん、ぼくな、千の技を使えるようになりたいねん」 8年前、幼稚園の年中組だった息子のひと言が、空手を始めるキッカケとなった。千の技を使っていたのは、仮面ライダークウガだ。オダギリジョー演じるクウガは確かにカッコよかった。ついでにいえば…

審査雑感

少年部13人と一般部が1人 春の審査を行なった。今回が初めての審査となる子どもは、はたで見ていてはっきりわかるぐらいに緊張している。二回目の子ども、三回目の子どもと審査経験に応じて、緊張度は軽くなっていくようだ。子どもなりに場数を踏むと、少し…

教えることのメリット

今年から子どもたちの指導を本格的にさせてもらっている 指導するほどの力があるのかどうかがとても悩ましいのは言うまでもない。これが寺子屋のようなお勉強ならまだよい。今のところはまだ、自分の方が子どもたちよりもいろんなことをよくわかっているし、…

起こりを消すには

最悪はテレフォンパンチである 向かい合っている相手に対して、いったん「せ〜の」という感じで右手を引いて体もひねって、ストレートを繰り出す。避けられること必須ぐらいならまだしも、相手が上級者ならそもそも突きの準備に入ったところをきっちり狙われ…

ダイエットには格闘技

必要性を感じる7割。でも何もしない4割 肥満解消の必要性と対策のお話。30〜5歳代の7割が肥満解消の必要性を感じているが、このうちの4割は特に何もしていないことがわかった(日経産業新聞2008年1月28日付8面)。 必要性を感じていながら何も対策をとらない…

肩こりに稽古

かなり頑固な肩こり持ちである 特にメインのPCをiBookからiMacに変えて以降、肩こりがひどくなったように思う。こりがひどいのは右肩だ。その理由はと考えてみると、おそらくキーボードとマウスの2点に集約されるのではないだろうか。 まずiBookに比べるとiM…

初稽古で思ったこと

今年に入って初稽古を4回 初稽古といえば最初の稽古だから、それが4回もあるのはおかしい。というツッコミは勘弁していただくとして。理屈は確かにそうなのだけれど、それぞれに質がまったく異なる稽古だったので、気分としては初稽古を4回やったのと同じよ…

未熟さと発見と

今日で今年の稽古も終わりとなる 少し早いけれど、この一年を振りかえってみると実にいろいろなことがあった。前半と後半でとくに大きな変化があった。何よりもまず、自分の稽古をあまりやらなくなったことがあげられる。後半に限っていえばほとんどやれてい…

指導員の役割

やむを得ない事情により指導員を勤めている もちろんまだまだ茶帯修業中の身である。自分が指導員として前面に立つのなど烏滸がましいにも程がある。そんなことはわかっている。これまで指導にあたってこられた諸先輩方に比べれば、空手のキャリアはないし、…