100円生鮮コンビニとは


100円ショップとコンビニと生鮮ショップ。三位一体の合わせ技とも
いえるのが、この100円生鮮ショップなるもの。ショップ99がその
先駆けであり、先頃、ローソンが新規参入したことで話題になっている。


で、これって一体、どんなビジネスモデルなのか。興味津々だ。


オリジナルの業態、それぞれの価値を確認しておく。100円ショップ
は、「えっ、こんなもんまで百円なん!」という驚きを楽しみながらの
時間消費。コンビニは、やっぱりコンビニエンス、利便性だろうな。生
鮮ショップは、健康(な食生活)といったところか。<安い・便利・健
康的>と揃えばいうことないではないか。


しかし、ちょっと待て。三人寄れば文殊の知恵という。日本的発想だ。
三人いれば派閥が三つできるともいう。ギリシア的発想だ。ちなみに三
人寄ればかしましいともいう。これは浪速的発想か。


三つの要素が合体するんだから、次の疑問が浮かんでくる。
1)相乗効果は生まれるのか
2)お互いに足の引っ張りあいにはなんないのか
3)で、結局、どんな価値を誰に提供してくれるのか
4)それってスーパーと、どう違うん
5)そのコスト構造はどうなるの


まず相乗効果。これはあるだろう。生鮮品をコンビニ時間で買えるのは
メリット。ショップ99は原則24時間営業である。夜中に野菜食いた
いって思ったら、ここに行けば手に入る可能性があるわけだ。また一律
百円で生鮮品を買えるのも、わかりやすくてよいかもしれない。


足の引っ張り合いは、ない、かも。ま、百円ショップのように探す楽し
みはさすがに生まれないだろうけど。


結局、誰にどんな価値を提供してくれるのか。スーパーが営業している
時間帯に買い物をできない人たちに、生鮮品を百円で手に入れることが
できる。これが中核的な価値ではないのか。ここを少し掘り下げると、
地域差は大きいにせよ、ターゲットは充分に見込めそうだ。ただし、そ
うしたターゲットが生鮮品、つまり素材を買って帰って、自宅で料理を
するかどうかは疑問。なんたって時間帯が普通の生活パターンと少しず
れているわけだからね。そんな時間に料理するのは面倒じゃないのかな。


あるいは百円均一に価値があるのだろうか。野菜などは百円均一に設定
することで、一人暮らしの人には量が不便だったり、あるいは逆に割高
になったりすることはないのだろうか。


スーパーとの違いは、まず何よりも品揃え、そして営業時間、販売方法、
さらに何より大きいのがチラシのあるなしかな。主婦層が実はチラシを
丹念に読み込んだ上で買い物をしていることを踏まえれば、チラシがな
いことによってすでに大きなハンディを抱えて込んでいる危険性もある。


コスト構造は、よくわかんない。コスト削減は徹底しているんだろうけ
ど、仕入れルートがどうなっているのかに大きく左右されそうだ。ちな
みにローソン系の「ストア100」は、最も安い産地の野菜をスポット
購入するそうだ。ということはボリュームディスカウントが効かないわ
けだ。仕入れ情報をどれだけ正確に掴めるかが仕入れのポイントになる
だろう。販管費は人員を切り詰めてとことん下げるようもっていくらし
い。店舗の外装看板も小さくし、とことんコストカットに勤めるらしい。


いまは個人商店が衰退し、住宅街に生鮮ショップの空白地域がある。だ
からこうしたショップの存在価値がありそう、と日経MJは分析してい
た。近所の主婦の「近いし、ちょっとした買い物は次からこっちにする
わ」なんてコメントを添えて。


こんなコメントがついてたら、「ふ〜ん、主婦に案外支持されるんだ、
百円生鮮コンビニって」なんて誤解しちゃうじゃないですか。そんなこ
とないと思うよ、たぶんね。


だって、これって主婦の行動パターンを見誤っていないか。主婦は1円
安いものを求めて行動する人が多いよね。だからチラシを念入りにチェッ
クするし、夕方のタイムサービスを狙って時間を合わせてきたりもする。
想像の域をでないけど、日々の買い物(特に食材)は、今日は何をどこ
でどれだけ安く手に入れられるかは、主婦にとっては楽しいゲームになっ
ているんじゃないだろうか。


そう考えると、この100円生鮮コンビニは、主婦の買い物ニーズを満
たすことはできないように思う。といって一人暮らしのニーズにも合っ
ていないような気がする。もっとも生鮮コンビニと謳ってはいるけど、
メイン商材は生鮮品じゃないなんて話もあるから、今後、業態が微妙に
変化していくのかもしれない。


ただローソンが後追いで始める「ストア100」は、しっかりチェック
していきたい。最近、また学び直しているランチェスター戦略を照らし
合わせてどんな戦略展開をとるか、生きた教材になりそう。


個人的な直観としては、百円均一の値段設定がくせ者だと思う。「うち
にある商品は、ぜんぶ百円均一ですよ」っていわれると、ほとんど無条
件に「それって安いじゃん」と思考停止になる人が圧倒的多数じゃない
のかなぁ。でも、ようく商品を吟味してみると、「これが百円って、ど
うよ、ちょっと高くないですか」的商品とか、「たったこんだけで百円
かよ、それってぼったくりじゃん」的商品が、結構混ざっているような
気もする。






本日の稽古:富雄中学校体育館 19時〜20時30分

  組み手立ちでの基本:逆突き、外受け、前蹴り
  フェイント系のコンビネーション3パターン