ビミョーはあかんやろ


息子の友だちを数人引き連れて、朝、学校へ送っていくついでにいろい
ろと話しかけるようにしている。普通に会話をしている分には意識しな
いのだけど、こちらが何か質問した時に「う〜ん、ビミョー」と返って
くることが多い。


うちのお勉強会に来てくれている子たちもそう。
「これ、どう思う」「ビミョーかな」なんてね。
小学校3年生から中学校2年生まで、これを使うんだ。


でもなぁ、
ビミョーって、何やねん!


たぶん、ものすごく使い勝手のよい思考停止用語なんだと思う。
ほんとは何も考えてないんだけど、ストレートに「わかりませ〜ん」な
んていってしまうと、自分がバカと思われるかもしんないから、それは
ヤ。
でも、何か聞かれたからって、まともに答えを考えるのも面倒くさい。


そこで「ビミョー」


誰が思いついたんだか知らないけど、なかなか含蓄の深い言葉ではある
な。とりあえずむずかしそうな言葉だし。だって漢字できちんと微妙っ
て書けますか。
(どうでもいいことだけど、微妙の微と特徴の徴って、手書きするとき
ついついわかんなくなって、適当に書いて誤魔化したりしません?)


とりあえずビミョーって言っておけば、わたい、バカじゃないわよ。だ
から、その質問だって、ちゃんと考えてるわよ。でもね、とにかくビ
ミョーなの。考えれば考えるほど答えにくいのよ、その質問…みたいな
ね。


はっきり言って危険だと思う。
今朝の日経には、いまの子どもたちは、伝える力がないからキレやすい。
だから伝える力を子どもにつけるために、文科省が授業法を研究という
記事があった。


確かにそうだ。思いはあるんだよね、誰でも。ところが、自分の思いを
うまく言葉にして伝えることができない。言葉として伝えていないのだ
から、当然相手には伝わらない。ちゃんと思いがあるのに、それを伝え
ることができない。この状態は、ものすごくもどかしい。イライラする
こともあるだろう。幼稚園では、そんな思いを持った子どもが、自分の
好意を相手に伝える手段として、暴力(ということのほどでもないけど)
に走ることもある。でも、所詮、幼稚園児のすることだからそれほど大
げさな問題になることは滅多にない。


ところがです。最近では小学生は言うに及ばず、中学生、高校生から大
学生、はては大人に到るまで、そんなコミュニケーション不全を抱えた
人が増えているんじゃないか。


キレる人が多いのは、他人とうまくコミュニケーションを取れない人が
増えているからって説は当たっていると思う。


じゃ、なんで他人とうまくコミュニケーションを取れないのか。問題の
根底には、家庭でのコミュニケーションがあるんじゃないのかなぁ。余
計なお世話かもしれないけど。


たとえば、子どもが学校から帰ってきて
「今日、何したの?」
「う〜ん、いろいろ」
「何かおもしろいこと、あった?」
「あったけどぉ」
「面白かったことって何よ」
「えっと、○○かな」
「どう、おもしろかったん?」
「え〜っ! ビミョー」
で、終わってしまう会話してませんか?


これで終わってると、結構やばいかも。






本日の稽古

  砂袋:突き100本、蹴り100本
  立禅6分