早口言葉はなぜ、おもしろいか


東京特許許可局東京特許許可局東京特許許可局


三回続けて、早口で…、いえるわけない。「とうきょうとっきょっきょ
きょきょく」とかになるのが関の山だ。


この早口言葉、案外子どもたちの受けがいい。毎朝、学校の途中まで送っ
ていく道すがら、新しいフレーズを一つ教えて、次の朝にどれぐらいい
えるようになったかを試している。


これが、結構ちゃんと覚えてくる。というか、そこそこ早くいえるよう
に練習もしてきている。珍しいんだろうか、こんな言葉遊びすること自
体が。


これまでにやった早口が、
坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた
・貴社の記者が汽車で帰社した
・竹やぶに竹立てかけた
・かえるぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ、あわせてぴょこぴょこ六ぴょこ
 ぴょこ
・青巻紙赤巻紙黄巻紙


そもそも早口言葉ってのは、子どもの言葉遊びだったはず。一応、意味
はあるのだけれど、それがどうしたって内容の文章を、ひたすら早口で
しゃべる。その疾走感とでもいえばいいのだろうか。早口自体に快感が
あるのだろう。


一応、子どもに手本を示さなきゃなんないから、自分でも練習する。す
ると面白いことに気が付いた。たとえば「貴社の記者が汽車で帰社した」
なんてのは、イメージを思い浮かべれば割と簡単に早くいえるのだ。
「坊主が屏風に」とか「竹やぶに竹」も同じ。


そして、きちんと、しかも早くいえると、うれしい。「おっちゃん、す
ごいやん」なんておだてられると、得意げに何回も言ってみたりもする。


大人にとっては意味からビジュアルイメージを浮かべやすいものほど発
音しやすいようだ。逆にまったくお手上げなのは「東京特許許可局」で
ある。何だこれは、薄汚れたネズミ色のビルでもイメージしろってのか。
あるいは、いかにもしかつめらしい風貌の役人がわんさかいる役所か。
そんなうっとうしいとこはヤだぞとか思うからか。これはまったくダメ
だ。


じゃ、子どもたちは、どうやって覚えているんだろうか。坊主が屏風に
なんていっても、屏風が何かわかんないだろうし、貴社の記者がなんて
さっぱりイメージがわかないはずだ。


ということは、単純に言葉のつながりを覚えることが面白いのかもしれ
ない。うまくいえたのを誉めてあげると、とってもうれしそうな顔する
のがかわいいし。とりあえず滑舌には役立つらしいから、みんなが飽き
るまで、あるいはネタがなくなるまで続けてみよっと。



本日の稽古: