算数の教え方


かけ算は2年生、わり算は3年生。


自分が小学生だった37年ぐらい前もそうだっただろうか。同じ学年の
間に続きで習ったような気がするのだが。それはともかく、本当ならか
け算とわり算はセットで教えた方がわかりやすくないか。


そう思っていたので、寺子屋に来ている子どもたちには、九九を覚えた
らすぐわり算を教えてみた。すると、みんな、ちゃんとできる。という
か相乗効果もある。だってかけ算/わり算は裏返しの関係なんだもん
ねぇ、一緒にやった方がわかりやすいはず。


そんなことをやっていると今年、おもしろい教科書が出た。教科書といっ
ても文部省の検定を受けているわけではない。が、小学校での算数教育
に問題意識を強く持っている先生がわざわざ検定教科書に対抗して作っ
たテキスト『学ぼう算数』シリーズだ。


この教科書は検定を度外視している。だから独自のポリシーに基づいて
編集されている。算数教育はこうした流れの方がいいという主張が伝わっ
てくる。たとえば3年生用ではわり算の後に「比」を学び、さらに分数
から比と分数の関係までをいっぺんにやってしまう。ちなみに通分・約
分は4年生で教えるように設計されている。


実際にこのテキストを使って教えてみると、ちゃんとみんなついてくる。
週1回・30分だけの授業だが一応、わかってくれているようだ。これ
が本来の子どもの伸びしろなんだろう。ただし、このやり方で通すため
には個別対応が必要だ。学校では正直、ムリだと思う。


そもそも子どもに集中力を要求すること自体が難しい話だ。3年生なら
30分もてばいいところだろう。それもマンツーマンでやってのこと。
いろんな子どもがいる教室で、みんなの集中力を同じように維持させる
ことは教師にとってかなりの力業だ。というか、ほとんど不可能に近い
といえるんじゃないだろうか。


ところで最近の学習要領は、理解力の遅い子をベースに組み立てられて
いるという。これでは伸びしろのある子も、そうでない子も一緒くたに
されてしまう。結果的に本当なら伸びる子が、学校ってつまんないと思っ
てしまわないだろうか。


一人ひとりの子どもに合わせて、その理解度合いを測りながら、教えて
いけば、たいていの子は学校の二年先ぐらいまでは簡単に進めると思う。
先生役は親がやってあげるのがいちばんだ。週に3回、一回30分でい
いから、子どもさんに向き合ってあげればかなり効果が出るはずだ。こ
の夏休みからでも、ちょっとやってみませんか。


ちなみに『学ぼう算数』シリーズにはワークブックも出されている。教
科書とこのワークブック、そして基本的な問題集を1冊ぐらい揃えて相
手をしてあげれば、きっとみんな、びっくりするぐらい算数のできる子
になりますよ。







本日の稽古:

  砂袋:突き120本、蹴り100本  


学ぼう!算数 中学年用 上 [推奨学年3年]

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