覆面調査に携帯メール


チェックからコメント重視へ。


覆面調査の中身が変わってきているそうだ(日経流通新聞8月7日)。
なかなか興味深い傾向である。従来はチェックシートを元にたくさんの
項目についてのチェックがメインだった。それが最近ではチェック項目
を大幅に減らし、調査員のコメントを重視するようになっている。


実は2年ぐらい前まで某居酒屋チェーンの仕事をしており、覆面調査を
何回かやった。このときはおよそ100項目ぐらいのチェックシートを
使い、さらにシートを提出してもらった時に一人30分〜1時間を目安
にデプスインタビューもやった。


最初はグルインをやっていたのだが、より深い内容を聞き出すためには
どうすればいいかと試行錯誤した結果、たどり着いたのがデプスインタ
ビュー(これって省略形あるのかな、デプインとか)だったというわけ
だ。


調査員はほとんどが女性なので、デリケートな問題を聞き出す時には注
意しなければならない。でも、これは慣れが解決してくれる。慣れてく
ると、思いもつかなかったような不満、不平、不信など「不」事項を引
き出すことができる。もちろん、ごくたまにではあるけれど「それって
すっごくナイスなサービス」みたいな気づきを得ることもできる。


デプイン重視でいくのなら、チェックシートはいらないという考えもあっ
た。でも、あえてチェックシートは簡略化することもなく継続した。そ
の狙いは、できるだけ多くのポイントに注目して欲しかったからだ。
チェックシートにチェックを入れるためには、そこを見なければならな
い。このいろんなところに目を向けてもらうためのツールとしてチェッ
クシートを活用した。


チェックシートを見ながらだと、デプインのときもいろんなことを思い
出しやすいようだったし。ところが、チェックシートにも一つ問題があっ
た。100項目ものチェック事項があると、シート自体の大きさがA4
用紙で2枚ぐらいになる。こんなものを店で広げることは難しい。だっ
てものすごく怪しいでしょう。


だから店を出たら、すぐに喫茶店にでも入って忘れないうちに書いてく
ださいと頼んでいた。ところが最近の覆面調査では、携帯メールを使う
という。これはかなりナイスなアイデアかもしれない。


携帯なら、お店の人にもまったく怪しまれない。さらに最新式の携帯な
らエクセルを使うことだってできる(はずだよね、確か)。であれば、
リアルタイムチェック&実況コメントみたいなことも可能。こうした基
礎データを元にして、さらにデプインをやれば、もっと価値の高いイン
サイトを得ることができるかもしれない。


携帯を活用した覆面調査&デプスインタビュー。どっかに提案してみよ
うかな。




本日の稽古:

  

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