二千円札はどこへ消えた?


発行から、もう5年が経つらしい。
二千円札である。


最近、どこかで見たことありますか、二千円札。そもそも、このお札は
2000年に開催された沖縄サミットに合わせて作られたという。その
発行枚数は下記の通り。
・平成12年度:7億7千万枚
・平成15年度:1億1千万枚
http://www.tbs.co.jp/radio/stand-by/attack/20050512.html


これ以外の年には発行されていないそうだ。しかも、最近の日本銀行
統計には、もはや二千円札は含まれてさえいない。
http://www.boj.or.jp/stat/money/bnnew0507.htm


ところが平成16年の年末銀行券発行高を見ると枚数ベースでは五千円
札とほとんど変わらない。
一万円券:70億2千万枚
五千円券: 5億5千万枚
二千円券: 5億枚
 千円券:38億1千万枚
http://www.boj.or.jp/stat/money/bn0412.htm


枚数で見れば、二千円札は五千円札の90%強。だが二千円札を目にす
る機会は、五千円札とは比べものにならないぐらい少ない。これは何で? 
二千円札はどこ行ったん?


二千円札だけに注目してみると、2000年以来の発行総枚数が8億8
千万枚だから、すでに3億8千万枚は回収されてしまっているのだろう。
にしても計算上は、国民一人あたり4枚ぐらいは持ってておかしくない
んだけど。


もちろん発行当初は、記念紙幣として扱われていたわけでは決してない。
というか、今でも記念紙幣の扱いじゃないだろう。紙幣として中途半端
という指摘はあったにせよ、それなりに価値を認めていたからこそ発行
されたはずだ。もちろん、紙幣制作には莫大なイニシャルコストだって
かかっている。税金である。


日銀でも発行当初は、二千円札には利便性があるとして、その流通促進
を図っていたようだ。二千円札の具体的なメリットとして、次の2点を
挙げている。
1.現金の支払い・受取りに要する紙幣を節約できる
2.偽造抵抗力が強化(参照:二千円券の発行と偽造防止技術)される、
http://www.boj.or.jp/money/00/cur0011a.htm


でも普及しなかった。その理由として、よくいわれるのが次の負のスパ
イラルだ。手元にないから使わない(消費者)→使わないから流通しな
い(日本銀行)→流通しないから機械を対応させない(企業)→機械が
対応しなくて不便だから使わない(消費者)


そんなこと最初っからわかっとったやろ。このまま、なし崩し的に消え
ていく運命なんやろか。しつこいようやけど、二千円札発行に伴って費
やされたコストは、誰の負担になるんや?


二千円札の発行なんて、そもそも誰が言い出したんやろ。


なかなかに謎の多い紙幣だ。





本日の稽古: