フェイント〜カウンターの狙い方


技の緩急、力の強弱、そして息の調整。


空研塾で教わる空手の三大重要ポイントである。まずは技の緩急。たと
えば同じ回し蹴りでも早く蹴るときもあれば、わざとゆっくり蹴ってみ
たりする。要するに単調な攻撃では相手に簡単に受けられてしまう。だ
から技には緩急をつけることが必要だと。


力の強弱も似たような意味だろう。空手の理想は一撃必殺なんだろうが、
現実問題として、一撃で決まることはまずない。であるなら決めの技ま
でのつなぎをどう組み立てるかが大切だ。決めの技の時に、どれだけ力
を込めることができるか。そのためには決める瞬間以外は脱力しなけれ
ばならない。


そして息の調整。これは平常心を保つためのポイントだと思う。焦りや
恐怖心で息が上がってしまっては、戦う前から勝負は決まっているよう
なものだ。戦いの最中だからこそ、ゆったりと、しかも相手に読まれな
いように呼吸を整えること。


この三つがベーシックに大切なポイントだとすれば、いざ戦いに面して
のコツのようなものが心の虚実じゃないだろうか。たとえばがっちりと
構え合っている相手にまともに突きなり蹴りを入れようとしても、そう
は簡単にいかない。そこでどうするか。


攻めへの受けに相手は集中している。さらに隙あらば、いつでも反撃し
てやろうと待ち構えてもいるはずだ。蹴りの早さが全然違ったり、受け
を吹っ飛ばすぐらいの強さがあるなど圧倒的な地力の違いがあれば話は
別だが、それほど力が変わらないのなら、戦い方の巧拙が勝負を左右す
るだろう。


理想的な戦い方の一つが相手を操ること。戦いの中で、相手を自分の思
うように動かす。そのために必要なのが心の虚実だと思う。相手が集中
していればいるほど、こちらの動きに俊敏に反応する。このメカニズム
を利用できないだろうか。


たとえばこちらが一歩前へ出れば、普通は一歩下がる。逆に一歩下がれ
ば、一歩前へと追ってくる。であれば、いったん前へ出てわざと下がり、
こちらを追って前へ出てくる相手の前足にローキックを合わせればどう
だろうか。


あるいは少し危険だけれど、あえて体のどちら側かのガードを空けてお
く。たとえば左のガードを下げておくような感じだろう。そこを狙った
回し蹴りにこさせる。こちらは相手の右の蹴りに集中し、いざ相手が回
し蹴りに入った瞬間を狙って、カウンターの蹴りを相手の軸足に合わせ
ていく。


まあ、こうやって言葉にするのはたやすい。でも実際の組み手の場で、
そこまで考えながらやれるかどうかはまったく別問題だ。昨日なんか、
これをやろうとして上段に二発も蹴りをもらってしまった。あほちゃい
ますかね。


ただ、こうしたカウンター系の技(交差法ともいいますね)こそが、空
手の真髄の一つだと思う。また体格に恵まれないものが戦いで勝つため
には頭を使うしかない。ということで交差法をしっかり稽古していきた
いと思う。


余談だけれど、型の多くには交差法が隠されているという話がある。平
安初段にも、実は交差法の技が秘められているらしい。興味がある方は、
下記のサイトの「型の分解/平安初段、平安二段」あたりを御覧になっ
てください。なかなか深いです。
http://higaki.info/index.html


昨日の稽古:

 ウォーミングアップ(体幹部を意識して使う)
 痛みに耐える稽古(水月、レバーへの突き、蹴りに耐える)
  →レバーへの回し蹴りは、耐えようがなかったですね。これは効き
   ます
 ミット(左下突き〜右下段蹴り、これにさらに左下突きを追加など)
 組み手
 サーキットトレーニン
  →腕立て、腹筋、背筋、スクワットの合間にバーピーをはさみ30
   秒ずつで2セット。死にました。