ディスカウントキャッシュフローって何?


よ〜く考えよう、お金は大事だよ〜。


大大大好きな矢田亜希子ちゃんが出ているコマーシャルをけなすのはホ
ントに忍びないのだが…。よ〜く考えたら、実はAFLACだめじゃんとな
る。10年間病気しなかったら、ボーナス20万円とかいわれてだまさ
れないようにしましょうね。


なんてことを教えてくれるセミナーを受けてきた。板倉雄一郎さんが講
師を務める「企業価値評価」についての3時間基礎コースだ。たとえば、
年間たった4万円の掛け金で10年間続けると20万円ボーナスの保険
のからくりを教えてくれる。
http://www.yuichiro-itakura.com/archives/lecture3.html


このからくりについて普通、誰もあまり疑問を持たないから、保険会社
は儲かるわけ。板倉氏曰く「お金は、お金についての知恵のない人から、
知恵のある人へと動くものです」と。至言ですね。


では、お金についての知恵とは何か。いちばん大切なことはお金は必ず
時間軸をおいて考えるということ。今の日本のように超低金利の国では
あまり実感がわかないかもしれないんだけど、今目の前にある100万
円と一年後に手に入る100万円の価値は違う。ここに尽きる。


資本主義社会に暮らす限り、同じ100万円なら必ず、目の前にあるお
金の方が価値が高い。なぜなら100万円の資本を1年間運用すれば、
1年後には基本的に必ず100万+アルファになる。+アルファがどれ
ぐらいになるかは、どれだけのリスクをとるかによるけれど、平均的に
はその国のGDP成長率にリンクしてくるはず。これすなわち資本主義の
原理というわけです。ちなみに日本は、このリンクが外れてしまってる
んだけど、それは異様な金融政策がとられているのが原因なんでしょう。


ともあれ1年後の100万円は、今日現在でどれぐらいの価値になるの
か。ここを考えなきゃならない。これがディスカウントキャッシュフロ
ーの根幹。最初にあげた保険の例なら、10年後にもらえる20万円っ
て、今の時点の価値で考えればどれぐらいになるのってことですね。実
は笑っちゃうぐらいのもんです。要するに保険会社の側からすれば、毎
年きちんと4万円ずつ払ってくれるなら、10年後に20万円返してあ
げるぐらい痛くも痒くもないってことです。


この考え方を応用していくと、たとえばある企業の現時点での株価が割
安か割高かがわかる。ということは、株式投資をするときの合理的な判
断基準を持つことができる。あるいは収益物件とかで勧められる不動産
価格が適正かどうかを見極めることもできる。もちろん、たいていの保
険がいかに買い手にとって不利な条件となっているかも丸見えになっち
ゃう。


とまあ、こうしたごく身近で損する・得する判断に使えるだけでなく、
私がめざす中小企業診断士の実務にも直結する知恵となる。つまり、企
業経営とは資本を最適運用して付加価値を創り出すことにあるのだから、
ある運用方法でどれだけの価値創造を見込めるかを測るためには、ディ
スカウントキャッシュフローがポイントになる。その結果が、実にその
企業に対する価値評価そのものになる。


ということで、実におもしろく、かつ意義のあるセミナーでした。とは
いえ株主資本コストの算定の仕方や、割引率の設定基準など、ここが肝
ってところは合宿セミナーじゃなきゃ教えてもらえない。というか3時
間のセミナーでは説明しきれないってことで、でも、そこがわからんと
あかんやんと欲求不満が残る、実に巧みな構成のセミナーでもありまし
た。ほんと、いい勉強になったです。






1125173729*本日の稽古:


 

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