相手の動きをどう見るか
上段に二発。
黒帯の先輩の横蹴りをもらった。この先輩はサウスポーで構える。そし
て重心を後ろの足、つまり左足に置いて、前にある右足で横蹴りを蹴っ
てくる。これが見えないのだ。
強いのは左の上段。こちらを警戒するあまり、どうしても前足への備え
が遅れるのだろうか。こちらのガードとしては、左手はできるだけ高く
かかげているよう意識しているにも関わらずである。
横蹴りの軌道になれていないことも、簡単にもらってしまった原因では
あるだろう。横蹴りを蹴ってくる人はほとんどいないから、始動からの
動きがわからない。だから反応が遅れる。
が、問題の本質は、そんなことではなかった。組み手の後で、この先輩
に指摘されたのが、視線の置き所だ。要するに腹の辺りを見ているらし
い。これがまずい。
基本的には肩のラインあたりに視線を置いて、相手をできるだけ全体で
見るようにと教えてもらっている。そうしないと、相手の動きを全体的
にとらえることができないからだ。
が、どうしても視線が下がるクセがあることには自分でも気がついてい
た。息子をみていたらわかるのだ。息子にカウンターを教えたのはいい
のだが、カウンターで下段をあわせることを意識すると、どうしても視
線が相手の足に落ちてしまいがちになる。
息子には、視線をあげろ、下を見るなといっておきながら、まったく同
じ過ちを自分もしていたらしい。下をみていては、上段にくる蹴りが見
えにくいのは当たり前だ。
これはまた、新たな課題である。というか、視線の位置は、イロハのイ
にあたるぐらい大切なポイント。すぐに矯正するように意識しないと。