電子チラシは主婦の夢を刺激するか


コスト、従来のわずか5%。


携帯チラシの話だ。関西に出店する釣り具量販店が携帯チラシを試した。
するとコストは従来の20分の1と劇的に下がり、しかも売上高は6%
増えた。
日経新聞9月7日より)


わかりやすく例を示しておくと、今まで紙のチラシを100万かけてバ
ラ撒いていた。ところがメディアを携帯に替えると。経費は5万円です
んだ。しかも売上は紙チラシのときが、仮に1000万円だったとすれ
ば、1060万円にアップした。


費用対効果をみれば、その差は一目瞭然。
紙のチラシ:売上1000万/コスト100万=10
携帯チラシ:売上1060万/コスト5万  =212


なんで、こんなに差がつくのか。理由は二つあるだろう。


一つには携帯メディアのコストが圧倒的に安いこと。もちろん紙のチラ
シに比べれば、紙面サイズは大幅に小さいから、表現力では勝負になら
ない。ただし、これは今のところという条件付きだ。


いずれ携帯インフラの整備が進めば、より高速化=大量データ送信化が
進み、携帯の画面ももっと大きく見やすくなるだろう。そのときには動
画も使えるようになっているはずで、その時点では紙との表現力の差は
逆転している可能性がある。もちろん、そうなった場合は携帯メディア
のコストもアップしているだろうけれど。


もう一つは、携帯メディアのターゲットに対するピンポイント性にある。
新聞の折り込みチラシは不特定多数を相手にしている。というか、折り
込みの曜日にもよるけれどチラシメディアは基本的におばちゃんが対象
でしょう。すると、おばちゃんが釣りするかって話。


一方携帯チラシを送るためには、送り先のアドレスがわかっていなけれ
ばならないはずで、それはつまり、あらかじめ何らかの方法で釣りに関
心を持つ人のデータがあるってことだ。だから効率的というわけ。


ここてちょっと疑問が生まれる。釣りに興味のある人にほとんどDM状
態で携帯チラシを送ったにもかかわらず売上アップが6%しかないって
のは、どういうことだろう。ここに逆に現状の携帯メディアの表現レベ
ルでの限界が見て取れるようにも思う。


ちなみに2004年の携帯広告市場は180億円。電通総研の予測によ
れば09年には775億円ぐらいまではいくだろうとのこと。


個人的には、もっともっと、それこそ超・爆発的に伸びると思う。その
理由は次の3つ。


まずその一。誰もが24時間、肌身離さず持ち歩くという携帯ならでは
のメディア特性がある。こんなメディアは、おおげさにいえば人類の歴
史始まって以来のものだ。


そして携帯メディアの今後の進化。高速化、大画面化が画期的な機能性
をもたらすんじゃないだろうか。コミュニケーションツールであり、エ
ンターテイメントツールであり、しかも決済機能も持つ。


さらには、このメディアに習熟した人口が急増する。今やうちの息子だ
ってメールを使いこなしている。


5年後、携帯チラシ、どうなっているだろうか。



本日の稽古: