戦略的価格はインパクトを持つか


40グラム12万円。


カネボウが発売した抗加齢に特化したクリーム『トワニー・センチュリ
ー・セルリズムSP』である(日経MJ9月30日)。予約開始から半月
で6000個を販売、予定数1万個を売り切る見通しらしい。
http://www.lcv.ne.jp/~cosme/x-20-3.html


12万円の売値だけに注目すると「えっらい、高いやん」と感じるが、
40グラムで一年間持つようだから、一年で12万円である。というこ
とは一月あたり1万円。実は一日あたりに直せば300円ちょっとであ
り、それほど高いわけではない。


しかし、この商品は12万円が一人歩きする。それぐらいインパクトが
ある。これを40グラム(=1年分)12万円とせずに、4グラム(約
1ヶ月分)1万円とすれば、どうなるか。明らかに埋もれてしまう。そ
の他多数のアンチエイジング化粧品と同じ扱いにしかならない。


だから、あえて12万円とする。しかも1万個限定、年1回の予約販売
のみとあおる。これは心理学的マーケティングの領域に入るのだけれど
「限定」とか年に1回だけといわれると、何となく値打ちがありそうに
感じてしまうのだ。


ともかくこの商品、仮に1万個すべてを売り切ったとしても売上総額で
みれば、12億円。同社の年商の1%にも満たない。もちろん絶対額と
しての12億円は大きいが、同社の売上全体から相対的に考えると大し
た額ではない。


しかしPR効果は高い。なぜなら売価1万円の化粧品はたくさんあっても、
12万円となるとそうそうないからだ。広告をしなくとも、勝手にメデ
ィアが取り上げてくれる可能性が高い。現に日経MJが掲載している。他
のメディアも取り上げれば、広告効果は大きい。


それもこれも12万円の値付けにインパクトがあるからだ。なかなかう
まい価格戦略だと思う。






昨日の稽古:

  腹筋、インクラインベンチプレス、カール、スクワット
  基本の突き、接近戦での下突きなどを30分程。