Gyaoは成功するか1


放送開始後5ヶ月で250万人。


ネットを使い無料で動画配信をするGyaoの会員数が、急激に増えている。
動画をみるのに、必要なものはパソコンとブロードバンド回線、そして
Windowsのメディアプレイヤーだけ。これでいろんなコンテンツをみる
ことができる。


日本のブロードバンドは加入件数が2000万を突破し、世界普及率で
50%を超えた。こうしたインラフの整備がGyaoが展開するビジネスの
背景にある。


そしてGyaoはコンテンツを無料配信する。ユーザーが負担するコストは
ゼロだ。Gyaoを運営するUSENの収益は、コンテンツに入るスポット
CM。同社は来夏には会員数が1000万人に達すると見込んでおり、
その時点で年間収入は3000億円と読んでいる。


では、GyaoにスポンサーはCMを出稿するのだろうか。実は出稿枠はす
でにすべて埋まっているらしい。しかも出稿費はテレビに近いコストを
通してもいる(日経ビジネス10月10日号)。


なぜ、そんなことが可能になったのか。
Gyaoがスポンサーを納得できるだけのCM出稿方法を提供しているから
だ。


もう3年前になるが、電通からの孫請け仕事で『TiVo』のレポートを毎
月書いていたことがある。TiVoとは、HDレコーダーを組み込んだセッ
トトップボックス。これを回線につなぐと、見たいテレビ番組を自動的に
HDレコーダーに予約してくれる。さらに、たとえば好きなタレント名を
入力すれば、そのタレントが出演する番組一覧を検索・表示してくれた
り、自動的にその番組をすべて録画してくれたりもする。


とてもべんりなマシンだ。さらにはCMスキップ機能がついていて、CM
はリモコンのボタン一押しで飛ばしてくれる。


これにはアメリカの広告業界、テレビ業界がものすごくビビった。なぜ
なら、自分たちのビジネスの基盤が成り立たなくなるからだ。もし、こ
のとりあえずHDに録画しておいて、あとで好きな時間に見る習慣が広ま
ってしまえば、ゴールデンタイムが意味を失う。この時間帯の広告枠を
高く売ることはできなくなる。


その前に、そもそも誰もCMなんか見なくなってしまう。スポンサーが
CM出稿しなくなる。おまけにTiVoでは入会時に会員のプロフィールを
取っているので、スポンサーに対して適切な広告をTiVo経由で流せます
よとやったもんだから大変だ。


要するにTiVoが広まれば、広告費で稼ぐテレビ局、広告代理店は商売上
がったりとなるわけ。


日本でもTiVoこそ登場していないものの、HDレコーダーの爆発的な普
及は同じような影響をテレビ局、広告代理店に与えるだろう。基本的な
機能はビデオデッキも同じではあるが、ここのアナログとデジタルの違
いが決定的に作用している。


まず録画時間。ビデオなら3倍速でがんばっても10時間にも届かない。
ところがHDレコーダーならいくらでも録画できる。というか、すでに数
百ギガバイトの容量を持っているマシンが当たり前で、すぐにテラバイ
ト規模のマシンも出てくるだろう。録画時間についてはビデオの比じゃ
ないのだ。


そこにデジタルならではの検索性が加わる。仮に何十本かテープをとっ
かえひっかえして、とりあえず100時間分ぐらい録画したとする。そ
の中からお気に入りの番組を探し出すのは、まず至難の業である。探し
出す前にインデックスをきっちりと作っておかなければ、探し当てるだ
けで何時間もかかってしまう。


ところがデジタルなら、キーワード〜検索で一瞬だ。


これが何を意味するか。テレビの見方が、まったく変わってしまうのだ。
見たい、おもしろそうと思う番組はとりあえず何でもHDレコーダーに放
り込んでおく(=リアルタイムでは見ない=放送局側が考えた放送時間の
意味がなくなる)。


データの中から見たい番組を選んで、ざっと見てみる。当然、CMは飛
ばす。ここでもビデオとHDに大きな違いがあって、ビデオはあくまでも
CM部分のテープ早送り。HDは一瞬というかボタン一押しである(=誰
もCMは見ない=スポンサーのCMコストは、パフォーマンスゼロに終わる)。


こうした状況で登場したGyaoにスポンサーは飛びついた。


さて、なぜでしょうか?


長くなったので、続きは明日。



昨日の稽古:

  腹筋、カール、インクラインベンチプレス、スクワット
  基本稽古(突きを集中してやりました)
  ちなみにBGVは『3秒で倒せ〜組手最前線パート2』