いつの間にかメディア化したGoogle


純利益、前年同期比633%増。


とんでもない成長率を上げているのがGoogle。いつの間にか時価総額
十兆円に迫り、メディアでは世界最大手だったタイム・ワーナーを超え
た(日経新聞10月22日)。何ででしょうね。


検索サイトといえば、日本ではYahoo!の方がなじみ深いかもしれない。
そのYahoo!Googleを比べてみてください。トップ画面に両者の違い
は際立って出ているはず。


http://www.google.co.jp/
検索キーワードを入力するフォームだけ、みたいな。素っ気ないぐらい
にシンプル。


http://www.yahoo.co.jp/
なんかいろんな情報がありそう。どれクリックしよっか、ちょっとわく
わく、みたいな。


勝手な推測をするなら、グーグルのシンプルさはブロードバンド普及前
のベストサービスを追求して生まれたのだと思う。たとえばダイアル
ップ回線で56Kbpsとかでつないでいた頃でもGoogleならたぶん10秒
以内に表示されたはずだ。


ところがブロードバンドが普及しても、Googleのトップ画面はほとんど
変わっていない。実際には提供しているサービスは大幅に増えているに
も関わらずだ。どれだけのサービスが増えているかは、検索フォームの
上に並んでいる『more』をクリックしてみればわかる。
http://www.google.co.jp/intl/ja/options/


たとえば住所を入力すれば(数字は半角入力すること)、検索結果の最
上位に地図へのリンクが出てくる。その地図からは衛星写真や近所の飲
食店へのリンクもある。これ、めっちゃおもしろい。


あるいはニュース。
いろんなニュースサイトからのリンクサイトが自動的に更新される。し
かもトップ画面は自分の関心に応じてカスタマイズできる。スポーツに
興味がある人なら、スポーツをトップに持ってくるとか。もう一つおま
けで付け加えておけば、このニュースは言語も選べる。たとえば英語を
選んでおけば、当然英語のニュースサイトにつながるというわけ。


これは便利ですよね。で、この便利さを理解できる人、使いこなせる人
は、どんどん使ってくださいというのが、今のところのGoogleのスタン
スのようだ。Googleのメイン収益源「検索連動広告」は、こうした人た
ちに効果的という判断があるのかもしれない。


自分なりに検索キーワードを工夫してサーチをかけた時、表示されてい
る広告には、個人的にはとりあえず目がいくからな。


ただしGoogleには、今のところ目立っていないけれど、もう一つ、強力
な収益源がある。サイトへの広告配信だ。たとえば自分が開いているサ
イトがあれば、Googleとまず契約する。するとそのサイトの内容と連動
する広告をGoogleが自動的に選んで、サイトに掲載してくれる。


このブログのトップにもそうした広告が掲載されている。これを見る限
り検索の精度は、まだまだ今ひとつって感じがしないでもないけれど、
これは立派な広告配信システム、つまりメディアだ。


いつの間にかGoogleは検索サイトだけでなく、広告配信メディアにもな
っているわけで、これが実は巨大な時価総額に潜む期待値の裏付けでも
あるのだ。


Googleがいかに巨大なメディアとなっているか。時価総額で比べるなら
ば、いま話題の楽天で10分の1、livedoorなんて20分の1以下。あ
る意味では市場の期待値も、ここに集約されていたりする。Google恐る
べしである。

昨日のI/O

In:『SEのトホホな舞台裏』『GQ』『BRIO』『東洋経済』『60分間企
業ダントツ化プロジェクト(再読)』『経営分析の基本』
N社社長インタビュー
Out:Y社会社案内コピー一部修正、『印刷6区』特集ページレイアウト、
N社社長インタビューシート

昨日の稽古:

  砂袋:突き150本、蹴り150本