二人乗り解禁はチャンスか


前年対比105%。


飛び抜けた数字ではないが、小型二輪車(251cc以上)の新車販売台
数が増えている。単純な前年対比では見えてこないのだが、もう少し大
きな流れを見ると、マーケットの明らかな反転状況が見て取れる。


2003年度は、一年を通じて前年対比マイナスだった。それが昨年の
12月に一挙にプラス20%となり、今年に入ってからは9ヶ月のうち
6ヶ月がプラスである。


このクラスのオートバイマーケットは、成熟市場だったと思う。今から
30年ぐらい前には、バイクブームがあった。自分も乗っていた口だ。
友だちにも乗っている奴が結構いた。鈴鹿8耐なんかが社会的なイベ
ントにもなっていた。


ところが、それ以降中型以上のバイクマーケットは逆風にさらされる。
まずエントリーユーザーとなる10代後半の人口がどんどん減ってくる。
さらには、その年齢層の若者にとってのバイクのポジショニングが、ど
んどん低下していく。


このクラスのバイクは、単なる移動手段ではない。普通に足として使う
なら原チャリの方がずっと便利でコストパフォーマンスも高い。わざわ
ざ高いお金(イニシャル、ランニングとも)をかけて乗るのは、そこに
エンターテイメントの要素があるからだ。


走るのが楽しい、のだ。それも、一人で走るのが結構楽しいのだ。30
年前のバイクブームのときは、ソロで楽しむライダーがかなりいた。と
ころが、今の10代後半から20代がそんなことを楽しめるとは思えな
い。


携帯やインターネット、ゲームなど30年前にはまったくなかった時間
消費アイテムがある。さらに一人を楽しめる人が減っている(ように思
う)。さらには30年で車の数はほぼ限界的にまで増え、バイクで走っ
て楽しい道には規制が入り、楽しくなくなったんじゃないかと推測する。


だからマーケットは縮んでいた。


そこに乾坤一擲、マクロ環境の大きな変化が起こった。中型以上のオー
トバイで高速道路を二人乗りできるようになった。これまでおそらく世
界でも日本だけが、高速道路での二人乗りが禁止されていた。ずっと昔
はよかったらしいが、オートバーブームのもう少し前の暴走族ブームの
頃に禁止されたらしい。


それ以来、バイク業界と行政の綱引きがあって、ずっと業界側が負けて
いたのが、ついに解禁となったらしい。その背後に何があったのかはし
らない。勝手な推測だけれども、今や日本を世界第二の市場とするハー
レーダビッドソン社のプッシュで、アメリカから外圧がかかったのかも
しれない。


いずれにしても、これはビッグチャンスである。
一挙にマーケットを活性化できるチャンスである。


ターゲットを一気に広げることができる。その昔、二人乗りでロングツ
ーリングへ出かけたかった(のに、できなかった)40代〜50代を狙
える。しかも、この層を相手にするなら、オートバイだった大人買い
期待できるかもしれない。


と単純に考えるのだけれど、今のところあまりその手のプロモーション
を見かけない。だから前年対比で伸びていはいるものの、決して爆発的
な伸びとなっていないのじゃないだろうか。


このマーケットのプレイヤーはバイクメーカーだけじゃない。自動車教
習所ももっとプロモーションをかけてくるかと思えば、意外におとなし
い。マクロ環境の追い風を活かしていないのは、なぜだろう。かなり不
思議だ。






昨日のI/O

In:
『ルービン回顧録(261〜273)』
マインドマップ・ノート術』
Out:
絵本分析トレーニングQシート『3匹のコブタの本当の話』編

昨日の稽古:

・護身術(関節技):
すっげー、おもしろかった。力をいれなくても大きな人を崩すことがで
きるのは、体の小さいものには魅力
・スパーリング:
技限定で5セット、フリーで20セット。これはめちゃきつかった。
・移動稽古:
ミットを使った移動と回転しての移動



記憶力・発想力が驚くほど高まるマインドマップ・ノート術

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