絵の意味を読むとは


30ページの絵本で40問。


『3匹のかわいいオオカミ』の絵について引っ張り出した質問の数だ。
森ゆりかさんの『絵本で育てる情報分析力』をガイドブックにして、
絵本分析を先週から始めた。


たかが絵本と侮るなかれ。絵本の絵を読もうとすれば、そこからは実に
多くのことを読み取れる。これは、かなり新鮮な体験だ。だって、そん
なふうに絵を読んだことは、これまでなかったから。


ところで絵の読み方を教わったことはあるだろうか。


絵を見て、感想文のようなものを書かされた記憶はかすかにある。とは
いえそのときは絵を「読んだ」のではなく、眺めただけだった。何とな
く絵を眺めて、どんな気分になったかを書いただけだ。


絵のような芸術作品に対しては、そこから何かを感じればいい。そんな
教え方がされていたのではないだろうか。


しかし、三森さんによれば(あるいは三森さんが参考にしているドイツ
などの国語教育方法によれば)絵は読むものなのだ。その読み方はだい
たい次の通り。


まず、最初にざっとみてそのテーマを考えてみる。ここでは全体像を何
となく掴めればいい。


次に描かれている場所、季節、時間、天気、時代背景、登場人物などを
観察する。どうですか、このレベルでさえも今までにやったことのない
絵の読み方だとは思いませんか。


さらに細部を読んでいく。絵の細かい部分を観察し、たとえば人物の表
情はどうか、どんな動作をしているのか、それはなぜか、どんな感情が
表れているか、音がするとすればどんな音、あるいはニオイは……、な
どを細かく読み、かつ考えていく。


絵は細部に至るまで、必ず描き手の意図が込められている。どんな細部
にもテーマにつながる意味がある。そこまで分析的に読んだ後で、もう
一度テーマを考えてみる。


小学校3年生レベルでは、ここまでで十分。一枚だけの絵を見て読む練
習をしてもいいし、絵本を見ながら、その絵を読んでいってもいい。た
だし絵本の場合は、文章があるから絵を読み飛ばさないように気をつけ
てあげたい。


このトレーニングを重ねた後に、次はまず読んだ内容をそのまま書く練
習へとつなげていく。そして読んだ内容を元に自分の意見を書くように
していく。


この一連のプロセスは、絵に描かれた内容(=一つの事実)を論拠とし
て、その上で自分の意見を組み立てる練習になる。つまり論理的思考の
ベーストレーニングになるわけだ。


子どもの適性を見ながら進めていくつもりだけれど、一年ぐらい続けて
みて、どんな成果が出るか、とても楽しみだ。


昨日のI/O

In:
『ゼミナール経営学入門(70〜91)』
S社会社案内資料
Out:
I社社長インタビューメモ
黒田勝彦教授インタビューメモ
N社会社案内コピー下書き


昨日の稽古:


絵本で育てる情報分析力―論理的に考える力を引き出す〈2〉

絵本で育てる情報分析力―論理的に考える力を引き出す〈2〉