ウォームビズで儲けるのは誰?
経済効果2300億円、クールビズの2倍超。
オフィスで厚着をして暖房温度を下げる。これがウォームビズ。その経
済効果は実に2300億円を超えると見込まれているらしい(日経MJ新
聞11月2日号)。
ところで、その経済効果って何か。直感的に思い浮かぶのが衣服関連だ。
職場で暖房を効かさないから、服をたくさん着なさいってことで、そう
なると寒いからベストやハイネックを買う人が増えるんじゃないかと。
ホントかなあ。
男性が下着まで含めて(それってラクダのパッチとかだろうか)一式を
揃えると、約2万6千円ぐらいかかるそうだ。これが女性だと約2万3
千円。いずれにしても一人あたま2万円ちょいの新しい支出が見込める
とのそろばん勘定。ではあるのだけれど、それってとらぬ狸の皮算用じ
ゃないの。
なぜならもう一つ、よくわかんないんだよね、このウォームビズっての。
たとえばクールビズといえば、その象徴はノーネクタイだった。これは
多くのビジネスマンから共感を得たと思う。納得できる。
だって日本のような亜熱帯に近い気候条件のエリアで、わざわざネクタ
イを締めることには、たぶん多くのビジネスマンがおかしい、イヤだ、
ウットしいと感じていたに違いないから。だからクールビズ=ノーネク
タイ→ネクタイをしなくてもサマになる格好=ちょいとしゃれたシャツ、
それいっとこう、みたいな連鎖反応が生まれた。
ところがウォームビズには、ノーネクタイの様に共感を集めるシンボル
がない。
デパートなどはベストやカーディガンを盛んにアピールしているようだ。
要するにスーツの下に着込んで、寒さを防ぎましょう。しかもいろんな
色を揃えてカラーコーディネイトも楽しんでね、みたいな。
でもなあ、これってちっとも新鮮に思えない。少なくともビジネスマン
が、そのシンボルだったネクタイを外したほどのインパクトはない。と
いうか、なんかスーツの下にベストとかカーディガンを着るなんて、じ
じむさくないか。あんまりカッコよくないですよ、そんなの。たとえば
これ、あの『LEON』で取り上げるかなあ。
それにそもそも暖房の設定温度は20度が目安らしいが、そんなに暖か
いのならわざわざベストなんぞ着なくても十分に快適じゃないのかしら
ん。だって20度ぐらいって、春とか秋のとっても居心地のよいときの
温度設定でしょう。
と考えるなら、ウォームビズの時のノーネクタイのようにシンプルで、
誰にでもわかりやすいアイコンを何かのアイテムで作ったところが勝つ
ように思う。
なんだろうな、そのアイテムは。案外「暖かくて、でもゴワゴワしない
新素材下着(ゴアテックスとかね)、これさえ着ていれば上は薄着で大
丈夫」みたいなものが出てきたら、一気に行くんじゃないだろうか。
ほら、諺にもありますよね「伊達の薄着」って。ごてごて着込むよりも
できるだけスリムな方がカッコいいってのが昔からの相場でしょう。今
のところそんな新素材下着の噂は聞かないけれど、出てこないのかしら
ん。
余計なお世話的に一つ突っ込んでおくと、で、ウォームビズの温室効果
ガス削減効果って一体どれぐらいなんだろう。
京都議定書によれば日本は90年度の排出量に対して6%の削減を求め
られている。にも関わらず90年から日本の温室効果ガス排出量は増え
る一方で、現状を基準とするなら13%ぐらいの排出削減が必要なはず
だ。ということは実に一割以上ですよ。
これを2008年(もう後2年ちょいしかない)から2012年の間に
減らさないといけないんだけれど、それにウォームビズ、どれぐらいの
効果があるんだろう。個人的には経済効果より、温室化ガス削減効果の
方がよっぽど興味あるところだ。
昨日のI/O
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