フランス暴動は対岸の火事か
5日夜からの4日間で4493台。
パリ郊外で始まった暴動で、これだけの車が燃やされた。もし東京、あ
るいは大阪で、これと同じことが起こったらどう思うだろうか。路上に
止めてある車に無差別に火を放つ。狂気の沙汰だと思う。
何がここまでの狂気をかき立ててしまったのか。
騒いでいるのは、主にイスラム系移民の若者だという。彼らには希望が
ない。その理由は下記のサイトに次のように説明されている。
http://blog.tatsuru.com/archives/001354.php
スタートラインにおいて「社会的弱者」に類別された者がフランスで社
会的に上昇する方法は基本的には三つあり、たぶんこの三つしかない。
(1)「一代目」がまず金を儲ける。「二代目」に高等教育を受けさせ
る。「三代目」が豊かな財貨と潤沢な文化資本に恵まれて育ち、婚姻関
係によって「上流階級」に仲間入りする。
(2)死ぬほど勉強してグランゼコール(エリート養成校)に入り、権
力のイデオロギーを100%内面化した「出世主義者」になる(あるい
は「なったふりをする」)。
(3)俳優か歌手かサッカー選手か作家になる。
(3)以外の選択肢がイスラム系の移民にとって郊外の団地(HLM
habitation ? loyer mod?r? 低家賃住宅)から逃れ出るためにはたいへ
んに高いハードルである理由は、それがフランス社会が「価値あり」と
するものに同意署名することを要求しているからである。
これは、決して他人事で済まされない話だと思う。なぜなら、日本でも
階級化は確実に進んでおり、社会的弱者が上昇する方法は、フランスの
状況に近づきつつあるように思えるからだ。弱者が成り上がる可能性は、
実は極めて低くなっている。たとえば東大生の親の平均年収などが、そ
の証と考えられるだろう。
すると日本では移民ではなく、同じ日本人が暴徒になる危険性がある。
この場合起こるのは、一種の近親憎悪だろう。そして近親憎悪は次のい
ずれかの方向(両方の場合も考えられる)に噴出する恐れがある。
一つには、憎悪の内向化。秘められたとても陰湿な憎悪が、身近な弱者
に向けられるケースだ。そのとき犠牲にされやすいのは子どもや老人だ
ろう。あるいは、その変形として憎悪が自分に向かうことも考えられる。
もう一つは、憎悪の集団過激化。こうした憎悪を何かの対象に向けて発
散させてくれる宗教団体、右翼団体、暴力組織などが受け皿になる。集
団化した憎悪は、容易に暴走するだろう。
いまフランスで起こっていることが、数年後の日本で起こらないという
保証はない。この先の日本の状況を予測すれば、起こる可能性の方が高
いかもしれない。その理由は何回も書いている通り、国家財政の破綻、
国債・円の暴落、ハイパーインフレの結果、多くの人が強いられるであ
ろう窮乏生活の連鎖だ。
こうしたことを起こさないためには、何をすればいいのか。遠回りでは
あるけれども、未来を担う子どもたちへの教育しかないと思う。
自分の頭でしっかりと物事を筋道立てて考える力を養うこと。与えられ
た問題を解くのではなく、自分で問題を立てる力を養うこと。何より考
えることを面倒くさがらない習慣をまず付けること。親の責任だと思う。
昨日のI/O
In:
今いくよ・くるよインタビュー
Out:
X社副社長インタビュー構成
昨日の稽古:
腹筋・インクラインベンチプレス・カール・スクワット
基本稽古(10セット)