中国経済はいつまで成長するのか


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単位はいずれもhaで、左から順に
 アメリカの一人あたり耕地面積
 中国の一人あたり耕地面積
 日本が食料を『完全自給するために必要な』耕地面積
を示している。
付け加えておけば、日本の一人あたり耕地面積は0.039haである。


この数字から何が読み取れるか。一つはっきりしているのは、やがて中
国の人たちが、今の私たち日本人と同じような食生活を望むようになる
とすれば、その時点ですでに中国も一人あたりの耕地面積が不足してい
るということだ(しかも中国の人口が現状より増えないとして)。


中国が豊かになり食生活が変わってくると食料輸入国に転じる可能性が
高い。といっても、現実的にはそのような選択肢はありえないだろう。
なぜなら、それだけの食料を地球が増産することは、現状をベースに考
えるならば無理だから。


あまり考えたくないことだが、食料輸入に転じる前に中国は、まず食料
輸出を止めるだろう。その時、日本の食糧事情はどうなるか。もちろん
単位面積あたりの収穫量が飛躍的に増えるようなバイオ技術でも発明さ
れれば話は変わってくる。ぜひとも、そんな技術が開発されることを祈
りたい。


ともかく、ここ数年の中国の経済成長率は、ほぼ8%台で推移している。
ということは計算上は約9年で経済規模が2倍になることになる。それ
だけ生活が豊かになる。食生活も変わって当然だ。


詳しい数字は忘れてしまったが、これまで穀物を食べていた人たちが肉
を食べるようになると、食料消費量は確か5倍ぐらいに増えるはずだ。
要するに家畜類に飼料として穀物を与えてその肉を食べると、穀物だけ
を食べているよりも効率が悪くなる。


もし中国の人たちが肉をガンガン食べ始めたら、一体どうなるのか。そ
の前に、もっと根本的な疑問もある。つまり、いつまで中国は8%台の
経済成長を続けることができるのか。


経済成長を続けるためには、エネルギーが必要だ。しかし石油に関して
はすでに中国は純輸入国に転じている。そのために、日本ではあまり知
られていないが、中国はアフリカに対して巨額の資金援助を行っている。
その狙いは石油のみならず天然資源の確保にある。


東アジアの天然ガス田開発を強行したり、シベリアからの天然ガスパイ
プラインを強引に引っ張ってこようとしている裏には、近未来に予想さ
れるエネルギー不足への強い危機感があるのだろう。


少なくとも上海万博ぐらいまでは何とか経済成長を維持するだろうが、
その先は不確定要素が多い。しかしエネルギー事情に関しても希望的観
測がある。中国のエネルギー効率は日本の5倍ぐらい、とても悪い。効
率化が進めばエネルギー消費量も劇的に減る可能性がある。


とはいえ、たとえば自動車の販売台数は恐ろしいまでのいきおいで増え
続けている。そこを狙って日本勢はもちろん、世界の自動車メーカーが
我先に参入しようとしている。それが資本主義の論理だから。何かおか
しいと思うけれど。


そして経済が急成長している人口大国は、もちろん中国だけではない。
これまた日本にはほとんど情報が伝わってきていないが、インドも、ブ
ラジルも、そしてロシアも似たような状況にあるはずだ。


世界レベルでの持続可能な成長のためには、何をすればいいのか。これ
は極めて難しい問題だ。こんな問題を解決する方法は、一体誰が考える
んだろう。というか、誰か考えているんだろうか。


<耕地面積に関するの資料は下記のサイトより>
http://www.worldwatch-japan.org/NEWS/ecoeconomyupdate2002-2.html
http://www.peoplechina.com.cn/maindoc/html/200407/xinxi-data.htm
http://www.maff.go.jp/soshiki/syokuhin/heya/qa/alt/altqa020425.htm





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