そして緑帯は続く


階段一段下りるのに10秒。


左足をまったく曲げることができないため、まず棒のように伸ばした左
足を一段だけそろそろと下ろし、左手を壁についてから右足をゆっくり
と下ろしていく。時間がかかるっちゃあ、ありゃしない。


左膝蓋腱炎症。ジャンパーズニーともいわれるらしい。膝の使い過ぎで
起こる炎症だ。去年の夏にも同じところを傷めた。実は昨秋にも審査を
受けるつもりだった。ということは下段蹴りをもらっても大丈夫なぐら
い太ももを鍛えておかなければ、それならスクワットあるのみ。


と単純思考で、子どもの夏休み早朝空手稽古に付き合った後、せっせと
スクワットに精を出した。おかげで膝蓋腱(そのとき、医者にいって初
めてその名前を知った)炎症となり、歩けなくなった。


たぶん老化現象なのだろう。膝の屈伸運動をしていても、左膝だけ「コ
クッ」とか「コキッ」とか音を立てるし、曲げたときに違和感がずっと
ある。が、屈伸運動の時は膝をできるだけ閉じて、ゆっくりやれば痛み
はない。


ということはスクワットをやるときも、膝を内側に閉め気味にやれば大
丈夫なはず。そう思って今年の審査を受けることが決まってから、回数
を二百回に押さえてスクワッテきた。


その成果はきっちりあって、黒帯の先輩にかなりきつい目に下段を蹴ら
れても、ほぼダメージを感じなくなっていた。これなら、いけるかなと
思っていた矢先、朝起きると膝がダメになっていた。イスに座ることも
できない。


一ヶ月前から始めた審査用の稽古が災いしたのだと思う。というか、そ
もそもたかが一ヶ月前から真剣に稽古を始めて、審査に臨もうとしたこ
と自体がまずかったのだ。審査って、そんなものじゃない。


地道に、でも次のレベルへしっかりと照準を合わせて一生懸命に稽古を
重ねた結果、自然な形で力がつく。それで合格してこそ意味がある。促
成栽培で無理をした上で通っても、それは付け焼き刃というものだろう。


認めたくはないのだが、老化というぐらいだから、たぶん歳も関係して
いるのだろう。だから余計に慎重になるべきなのだ。とはいえ、茶帯
取る、あるいは茶帯を締めたいという気持ちは、今回の準備期間でしっ
かり持つことができた。毎日茶帯を締めている自分を思い浮かべるイメ
ージトレーニングをしていたから、余計にだ。


審査前にいろいろつけてもらった稽古で、自分に足りない点もわかって
きている。次の審査では必ず、自分の納得のいく形で合格できるように
がんばっていきたい。


最後になりましたが、いろいろ気遣ってくださった先輩、それと一緒に
稽古させてもらっている仲間の皆さん、ありがとうございました。こん
な形での審査辞退となってしまいすみません。来年の審査目指して、ま
たがんばりますので、よろしくお付き合い、お願いします。押忍。



昨日のI/O

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2005年度主要ニュース
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