ネットコンシェルジェの存在価値とは


1万3千ギガバイト


2004年2月時点で国内に開設されたウェブサイトのデータ総量らし
い。この6年間で44倍に増えているという(日経新聞12月5日)。
個人的には、データ量はそんなもんじゃないだろうと感じるんだけれど、
とりあえず総務省の発表によればそうなっているらしい。


ともかく何でも、まずネットで調べる。仕事をする上では、これがもっ
ともベーシックなスタイルになっている。どんなテーマであれ、真っ先
にあたるのがGoogleみたいな。


ところが単純に一つのキーワードだけで検索をかけると、ヒット数が膨
大な数になる。ネットにしか資料がなさそうな場合はともかく、当たり
を付けるだけの時は、せいぜい2画面まで。Googleの表示件数を50に
設定しているので、100件目までしか見ていない。これだけでも十分
にヒントにはなる。


が、気をつけなければならないことがある。よくいわれるけれど、ネッ
トにはとんでもないガセネタが混ざっていることも多い。悪意なんだか
ブラックユーモア何だかよくわかんないけれど(たぶん、単純に間違っ
たことを正しいと信じているだけのケースもあるのだろう)、まったく
の嘘っぱちがいかにも本当らしく語られていることもある。


こうした偽りの情報にだまされないためにはどうすればいいのか。


そこで生まれた発想が、人に訊くことだ。手に入れたい情報を独力で探
すのではなく、ネットを使って「こんなテーマについて、知ってる人は
いませんか」と呼びかける。すると、一応はその専門的知識を担保され
ている人が答えてくれる。「はてな」や「オールアバウト」のサービス
がこれに該当するだろう。


さらに進んで、特定の会員を対象に、それぞれの会員が事前に登録して
おいた関心情報だけを選んで見せてくれるようなサービスが出てきた。
これをネットコンシェルジェと呼ぶ。各自のニーズに応じて、ネット上
に流通する情報を取捨選択し、必要かつ信頼性の高い情報のみをふるい
分けてくれるわけだ。


ここでおもしろい逆転現象が起こる。


ネット時代は、中抜きの時代といわれた。要するにネットを使えば、た
とえばメーカーとエンドユーザーを直接つなぐことができるため、中間
の流通業者はすべて淘汰される、といった話だ。確かにDELLに代表され
るパソコンのダイレクト受注生産モデルなどは、この流れの上で普及し
てきたものだ。あるいはネット証券などもそうだ。


しかし情報が増えすぎたために、今度は目利きが必要とされるようにな
っている。そこで『中入り』の時代に入ったのではないだろうか。その
象徴がネットコンシェルジェというわけだ。これは何もエンドユーザー
だけを対象とした話ではない。


旅行やホテルなどの宿泊施設を相手にあ『中入り』のビジネスモデルを
展開し始めた企業もある。マップジャパンだ。同社は施設がネット上に
さまざまなメディアを通じて掲載する客室在庫情報を一元管理できるシ
ステムを開発した。


旅館やホテルなどはもはや旅行代理店だけでなく、楽天トラベル(旅の
窓口ですね)やベストリザーブ、あるいはじゃらんネットなどさまざま
なサイトを通じて客室を予約できるようにしている。ところが、どのサ
イトにどれだけの部屋を、いくらで提供し、在庫がどれだけ残っている
かをリアルタイムに的確に掴むのはとても煩雑な作業となっている。こ
れをシステムで一元化できれば、どんなに楽かと。


そこで一役買うのが、マップジャパン社のデータセンターである。それ
楽天トラベルであれ、じゃらんネットであれ、宿泊客からの予約をす
べて同社のデータセンターを通すことで一元管理。旅館やホテルは、自
社での作業量を大幅に減らすことができるようになった。


これなども煩雑化するデータを集約・管理する『中入り』システムの価
値が高く評価された一例だ。ネット上を流通する情報が等比級数的に増
えているために、情報流通を仕切るビジネスの価値が認められる。そん
な時代になってきたということだろう。


これからも情報は増えることこそあっても、減ることはあり得ない。ネ
ット時代だからこその『中入り』モデル、これからいろんな分野で登場
してくるはずだ。




昨日のI/O

In:
『カリスマたちのビジネスツール』
Out:
I社入社案内コピー原稿最終稿



昨日の稽古:富雄中学校体育館

・コンディショントレーニン
・基本稽古
・ミット稽古
・移動稽古
・蹴りに対する受け返し