iPodに通信機能がつく日


2005年ヒット商品番付でダントツの横綱


iPodである(日経MJ12月7日)。この商品は一般には携帯音楽プレイ
ヤーと理解されているが、果たして本当にそうか。


実態は違うと思う。というか、スティージョブズ自身がはっきりとい
っている。「iPodはコンピュータだ」って。コンピュータを思いっきり
割り切って定義して、それはハードディスクがあって、インプット/ア
ウトプットデバイスを持っているものとするなら、iPodは立派にコンピ
ュータだ。


実際にはすでにいろんなデータを入れる外付けのハードディスクとして
も使われている。小さいとはいえカラーモニターがあるのだから、その
うち外付けのキーボードがサードパーティから出て、PDAとして使える
ようになるかもしれない(Apple自らが、そうするかもしれない。なん
といっても元祖PDAともいえる『Newton』を出したメーカーだから
ね)。


と考えるならiPodはすでに、動画も扱えるミニコンピュータだ。しかも、
これがもしAppleの戦略だとすれば実に巧妙だと思うけれど、コンピュ
ータだと意識されずに3000万台も出荷されている。それだけ多くの
人に親しまれているデバイスになっているということだ。


このiPodにもし、通信機能が付いたら?


iTMSから音楽をダウンロードするのにパソコンをつなぐ必要がなくなる。
iPodがもっと便利になる。ポッドキャスティングで提供されているさま
ざまな情報を、もっと簡単にダウンロードできるようになる。おそらく
あと1年ぐらいの間にはビデオキャスティングもどんどん普及していく
だろう。それらを見ることができるのはiPodだけだ。


と考えてくるとiPodは明らかに、他の携帯音楽プレイヤーとは一線を画
していることがわかる。


そしてiTMSである。これは今のところ音楽やビデオをダウンロードする
ためのショップという位置づけだ。が、果たしてそれだけだろうか。


すでにブラウザーを立ち上げなくてもiTunesを立ち上げれば、ネットに
つながる。iTunesからアクセスできるのは、今のところはiTMSだけ。
そこで手に入る情報は基本的に音楽だ。でもPodcastを使えば、いろん
な音声情報が手に入る。


ということは、すでに音声データに関してはiTunes(& iTMS)がポー
タルになってるってことだ。しかもそのユーザー数はどれぐらいいるの
か。iPodの出荷台数が3000万台なら、すでに立派に『10ミリオン
クラブ』のメンバー資格を満たしている。


しかも、このモデルはユーザーからも対価を得られるシステムとなって
いる。それだけの価値を提供していると思う。10ミリオンクラブモデ
ルの一歩先をいっているとも考えられる。


しかもネット接続のデファクトにさえなりかねない。なんてことまでを、
もしかして、Appleは狙っているのかもしれない。ポッドキャスティン
グに関しては、すでに通信と放送の融合を先取りしているとも考えられ
る。


次にAppleが何を出してくるのか。とても楽しみだ。



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