速読って?


350ページの本を15分で処理


フォトリーディングと呼ばれる速読法の話。本を速く読めるようになり
たいとは思う。痛切に思う。読みたい本が次から次へと出てくるのに、
読むのがまったく追い付いかない。おかげで積ん読本がたまる一方だ。


速く読めるようになりたいのは山々なのだが、速読法に手を出したいと
も思わない。というか必要な時は、普通に速読をできると思う。速読が
必要なのはどんな時か。仕事をする上での資料を読む時である。


そういう時は、たいていテーマが決まっている。特にインタビューの下
調べなら、テーマも相手も特定されている。テーマ関連の本やネットか
ら引っ張ったレポート、文献ならば、流し読みしていくだけでも充分に
要点をピックアップできる。これは速読法の触りにも書いてあるように、
問題意識がはっきりと頭の中にあれば、それにひっかかる言葉がクロー
ズアップされるからだろう。


こうしたメカニズムが働くことは素直に同意する。何か特定のテーマに
ついて調べなきゃと思っている時は、新聞を読んでいてもそれに関する
記事が、まさしく『目に飛び込んで』来る。人間の能力ってすごいなあ
と素直に感動する。


では、目の前に抱えている仕事には直結しないのだけれど、とりあえず
勉強になりそうとか思って読む本はどうか。この場合は、まずなぜ、自
分がその本を買ったのかを思い出すことから始める。ずいぶん前に買っ
た本がたくさんある。それを引っ張り出してきたときに、さて、この本
を読みたいと思った理由は何だったかなと振り返ってみるわけだ。


するとおぼろげでも、昔持っていた関心がよみがえってくる。然る後に
目次をざっと見て、その本から学びたいことを5項目ぐらいリストアッ
プ、ポストイットに書き出して表紙の裏に貼付けておく。で、時々この
メモを見ながら読んでいくと、よく頭に入る。ある程度、流し読みして
いっても構わない。それでだいたい、知りたかったことは頭に入るから。


では、読みたい、読んで楽しみたいと思う本はどうか。これはじっくり
読むしかない。小説でなくとも、たとえば経済書や論理思考などの実用
書でも行間を読むことが楽しい。文章の全体構造を解きながら、作者の
知的作業をなぞっていくような読み方がやっぱりおもしろい。こうした
読み方では一字一句を読み込んでいくしかない。


このような読み方と速読法は絶対に相容れないのだと思う。要は何のた
めに本を読むのかといった、根本的なテーマに関わる問題なのであって、
できるなら、本は楽しみのために読みたいと思うわけです。


そもそも本を処理する、なんていい方は、あまり好きじゃし。





昨日のI/O

In:
『古伝空手の発想/小林信也』
『ひとつ上の発想/真木準』
Out:
A社社長インタビュー記事
Q社入社案内コピー
S社社長インタビュー記事


昨日の稽古:富雄中学校体育館

・基本稽古(寒いので数を多くやりました)
・ミット稽古(前蹴り、回し蹴り、横蹴り、内回し蹴り)
・スパーリング(1分×10セット)