グーグルがAOLに出資したわけは


提携番組3万本


ソフトバンクとヤフーが同が番組を配信する新会社TVバンクを立ち上げ
た。そこで確保している番組の数が3万1000本だという(日経新聞
12月21日)。とりあえず無料番組だけでもめっちゃ(ほんまに)た
くさんある。
http://streaming.yahoo.co.jp/sitemap0.html


お約束のようにMacでは見ることができないのだが、たとえばK-1の武
蔵のデビュー戦とかがあるとなれば、Windowsマシンを買ってでもみた
くなるではないか。これが有料番組ともなると、松田優作シリーズなん
てのを見ることができてしまう。それも一本400円ぐらいで。


いよいよ動画のネット配信が本格的に始まるようだ。


このサイトに集められている番組は、次の3種類に分類される。一つは
有料コンテンツとして配信元からTVバンクが買い取ったもの。無料コン
テンツについては2種類あって、TVバンクが配信許諾を得たものが当然
メインとなる。が、ネット上には、無料というか勝手にアップされてい
る動画番組が7万本もあるらしい。これがくせ者だ。


たとえば
http://ad-rag.com/117074.php とか
http://tiftykk.blogzine.jp/big_kahuna_burger/files/
iPod_sazae.mov とか
http://michalevy.com/gs_download.html とか


テレビを見ているより、ずっとおもしろいじゃんとか、テレビなんか見
なくていいじゃん、なんて動きが加速しそうだ。


と思っていたら、その日の夕刊にはグーグルがAOLに出資なんてニュー
スが出ていた。AOLといえばアメリカでは有数の動画コンテンツホルダ
ーである。となればグーグルの狙いは明らか。


地球上のあらゆる情報のポータルを目指すグーグルに、今ないのが動画
検索機能である。当然、動画についての検索も充実させていくだろう。
と同時に有料コンテンツを確保する。ヤフーと同じ路線だ。


動画コンテンツそのものは、有料・無料を問わずたくさん出てきている。
特にこれからは無料コンテンツが増えるだろう。もしかしたら、この無
料系コンテンツについては、1本あたり10円ぐらいの課金体系が取ら
れるようになるのかもしれない。そして、これが実はグーグルの本当の
狙いの一つなのかもしれない。


先ほど例に上げたコルトレーン『Giant Steps』なんて、100円ぐら
い払ってでも見る価値があると思う。iPodサザエなんかも、もう少し時
間が長ければ、それぐらいは払ってもいい。逆にあのCMバージョン
(だからたぶん15秒かな)でも10円ぐらいなら、払っても構わない。


つまり動画のポータルサイトを勝ち取ることができれば、そのサイトに
は広告配信による収入に加えて、動画配信料も収入源となる可能性があ
るわけだ。しかも動画配信サイトに来るユーザーは、当然ブロードバン
ド利用者である。


こうしたユーザーに対しては、配信する広告だって動画、つまりいわゆる
CMになるだろう。スポンサーサイドからすれば、ますますテレビCMに
こだわる理由がなくなっていく。サイトアクセスユーザーなら、そのま
までも、少なくともテレビの向こう側にいる、だれだかまったくわから
ない視聴者を相手にするよりは、ずっとましな絞り込みができるはずだ。


放送と通信の融合、などということは政府が考えてくれなくても、企業
の動きが勝手にそうなっていく。テレビ業界のビジネスモデルはCMで
成り立っているわけで、そのCMに金を出すスポンサーが、テレビCMな
んて意味ないじゃんと判断した時点で、今のようなテレビも出るは終わ
りだ。


そして先進的な企業ほど動きが速いわけで、そうなると政府頼み、規制
頼みのテレビ業界が、さながら昔の恐竜に見えてくるのは、たぶん目の
錯覚じゃないのだろうと思う。


となると、次は動画コンテンツを、どうやって創るのか。ここにもビジ
ネスチャンスが生まれそうな気がする。たぶん、こうやってテキストを
書くだけより、音だけで表現するより、動画を創る方が、創り手の楽し
みは大きいだろう。ここにチャンスがあると思う。




昨日のI/O

In:
意味がなければスイングはない村上春樹
M社社長インタビュー
X社副社長インタビュー
Out:
T社社長インタビュー記事
O社来年度販促プロモーション・ラフアイデア


昨日の稽古:

・基本稽古(突き200本)