夢とホラをつなぐ一日決算主義とは


25年後に売上高10兆円


日本電産・永守社長が今年の新入社員研修会でぶち上げた目標である
(『プレジデント』誌2006.1.16号)。元旦の午前中以外、一年中仕事
をするというモーレツ社長に率いられる同社は、京都の急成長&超優良
企業として有名だ。


とはいえ現状の売上高は、連結で5000億突破がみえてきたところ。まだ
1兆円にも達していない。が、25年先の20倍成長を宣言する。


ちなみに永守社長のつい最近までの口癖は「2010年までに1兆円企業」
だったそうだ。あと5年での1兆円達成が射程圏内に入ったために新しい
目標を作ったということらしい。


ほとんど根拠がなく実現可能性がほぼ0%の目標を大ボラ、これは時間
にして30年先の目標である。以下、可能性20%・20年先=中ボラ、可
能性30%・10年先=小ボラ、そして可能性50%・5年以内となると、こ
れはどうあっても実現させなければならない「夢」とする。これが永守
社長の考え方だという。


自分にここまでのスパンで物事を考えられる視点はなかった。


しかし30年先といえば、75歳になる。ということは、自分にとっては、
ほぼ残りの人生をどう生きるのかを考えることと同じだ。そのときにど
うなっていたいのか。


とんでもない大ボラを考えるなんて発想は思いもつかなかった。けれど
も、大ボラなんだから何をいってもいいだろう。とりあえず企業家志向
はないので、たとえば国連事務総長になるとかがいいかもしれない。あ
るいはユニセフの大将とか日本寺子屋連盟会長とか、そうやって考えて
みればまだまだいろいろ出てきそうだ。


こんなふうに思考をフルに引っ張ってみると、自分がこの先、どんなこ
とをしたいのかが何となくわかるような気がする。この場合のどんなこ
とをしたいのかというのは、誰のために、どんな価値を提供したいかと
いうこととほぼ同義だ。そして、どんなことをしたいかを考えることは、
やりたくないことは何かを考えることにもつながっている。


30年先(=ほぼ人生の終わり)までとストレッチした目標を見据えた上
で、じゃあ5年後にはどうあるべきかを考える。ここから現在までのロ
ードマップを、数字で考えた具体的な行動計画にできるかどうか。


最終的には、5年スパンのロードマップを今日一日の行動にまでブレイ
クダウンすることができるかどうか。そして、今日やろうと決めたこと
をやれたのかどうかをその日のうちに決算すること。これが30年先の大
ボラを夢見ながら、今日一日をその夢に近づくように過ごすための方法
なのだろう。


よし、いい話を読んだ。じゃ早速、来年からやっていこうなどと思わず
に今日から始めることが第一歩。それがQ.O.Lを高める生き方につながる
のだと思う。



昨日のI/O

In:
大阪大学医学部第一外科・澤助教授インタビュー
『プレジデント』
ザ・サーチジョン・バッテル
Out:




昨日の稽古: