携帯に求められる機能は


2008年末で30億人


ノキア社が予想する世界の携帯電話ユーザー数である(日経新聞12月27日)。ちなみに世界の人口は、今のところだいたい64億8000万人。1年間で約8000万人増えているようだ。であれば08年末では67億人ぐらいか。→ http://arkot.com/jinkou/


いずれにしても、あと3年ぐらいで世界人口の約半分強の人が、携帯電話を持つようになる。需要が急増しているのは主にBRICs諸国。経済が成長するにつれて、人々のコミュニケーションニーズが高まっているのだろう。


携帯電話に関しては、すでにチャイナクロスは終わっているはずだ。そして来年か、再来年あたりにインドクロスが来るのだろう。携帯所有率を人口比で考えればまだまだ日本の方が上だが、絶対数は圧倒的に中国やインドの方が上になる。


中国がそうであったように、おそらくインドでも、それに続くロシアやブラジルでも普通の電話が普及する前に携帯電話が普及してしまうのだろう。というか、これらの国では電話といえば、携帯電話のことを意味するようになるだろう。


ともかくハードとしての携帯電話については巨大なマーケットがあることになる。今年の世界の携帯電話加入者数は累計で20億超。過去4年間で10億人増えているそうだ。これほどまでに急成長しているマーケットは、あまりない。


今後の需要はいわゆる第三世代機にシフトしていくようだ。となると動画など大容量データを高速で送れるようになる。それはそれでいいのだが、ぜひ、今後開発して欲しい機能がある。それは自動翻訳機能だ。


たとえば自動翻訳機なら、すでに実用化されているわけで、この一歩先の機能をぜひ携帯に搭載してもらいたい。理想的なのは、こちらが話す内容がリアルタイムに相手の国の言葉に翻訳されて通話できること。だが、とりあえずは英語や中国語、スペイン語など世界で流通している主要言語との相互翻訳機能でもいい。もちろんメールも同様だ。


こうした翻訳機能付き携帯ができれば、また世界にパラダイムシフトが起こる。これは必ず起こると思う。携帯はパソコンを使うインターネットよりも、もっともっと身近なメディアである。どこかで読んだ記憶があるのだが、携帯は24/30メディアだとあった。要するに24時間、自分の30センチ以内の場所にあるメディアという意味だ。そんなメディアが世界中と通じるようになれば、どんなことが起こるのか。


きっと世界は変わる。それももっと良い方に変わる。そう思う。


<余談>それにしても気になるのは、この急成長マーケットでの日本メーカーのシェアが落ちていること。上位5社はノキアモトローラサムスン電子シーメンス、LG電子となっており、ここに日本メーカーは入っていない。そして上位5社が占めるシェアは、72%に上る。


携帯電話の世界的なシェアがどう推移してきたのかは知らないので、現在のシェアが日本メーカーの衰退を意味しているのかどうかもわからない。でも、正直なところ意外だった。携帯電話なんて、最先端技術をいかにコンパクトにまとめるかが勝負になるはずで、こうしたジャンルこそが何より日本の得意分野だったはず。


そうした領域での技術力が落ちているために、シェアを取れていないのだとしたら、これは日本経済の先行きにとって、ちょっと気になるシグナルである。



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