定年男性を救うサービスは


年間約4万2千件


2004年に離婚した結婚期間20年以上の夫婦の数である(日経新聞1月6日)。中高年の離婚が増え始めたのは80年代からのこと。ちなみに80年の離婚数はまだ1万件強だった。


最近では主人在宅ストレス症候群なる病が正式な病気として認められつつあるらしい。要するに定年になった夫が家にずっといるために、妻が強いストレスを感じて、体に変調を来すと。


定年までやっとの思いで勤め上げて、やれやれ、やっと家でゆっくりできると思えば「あんたが一日中家にいるから、病気になるじゃないの」なんていわれるわけだ。


これまでにも定年後の男性を揶揄するような言葉は、いくつも作られてきた。いわく「粗大ゴミ」に「濡れ落ち葉」。妻が外出すると必ず「わしも、わしも」と後に続く「わし男」。そして「主人在宅ストレス症候群」にとどめを刺す。


えらい、いわれようだ。あんまりだと思いませんか。


なぜ、こんなことになるのか。定年後に何をやれば良いのかが、そう簡単には見つからないからだろう。逆に考えれば定年までは、本当に仕事一筋だったわけだ。


ここにビジネスチャンスがあると思う。定年後の男性のための居場所を提供する。ただし、これは簡単ではない。なぜなら定年という大きな節目でたいていの人は、一度ネジが切れているから。定年男性を狙ったビジネスはたくさんあるけれど、ここを考えていないために失敗しているケースが多いと思う。


いったん切れてしまったネジを、もう一度巻き戻すのは、なかなか難しいのだ。焦ってはダメ。おそらくこれまでにやったこともないようなことを、いきなりやってもたいがいはうまくいかないだろう。60前後の男性ともなれば、プライドだって相当にあるのだから。


そう考えればパソコン教室などでよく目にするように、いかにも初心者に接するかのような対応をするのはうまい策じゃない。仮に何か新しいことをやるとしたら、そのテーマについては初心者かもしれないが、人生の上でははるかに先輩であること。だからこそ、その豊富な経験の中には、新しいことをやるときにもきっと活かせるノウハウがあること。


こうしたことを、まずしっかり認める。然る後に相手の心のひだに入り込むようなサービスを提供する。それは、おそらくこれまでのキャリアのどこかを活かしてもらうことになるのだと思う。単に再就職とか、暇つぶしの仕事(シルバーボランティアなんてのがあるけれど)じゃなく、その人の持てるキャリアを横展開できるような形で社会に価値を提供する場を見つけてあげる。


こんなサービスなら、価値を認めてもらえるのではないだろうか。


昨日のI/O

In:
経営学入門/伊丹敬之・加護野忠男
Out:
R誌原稿・コラム原稿
A社社長インタビュー訂正原稿



昨日の稽古:

・ジョギング
・腹筋、インクラインベンチプレス
・砂袋