ライブドアって何の会社


資本金600万が時価総額7700億に


連結売上高でみれば784億。ライブドアの話だが、正直、すごいなあと思う。思うんだけれど、売上のうち458億と60%弱が金融になっていることにはすごく違和感を感じる。


いつの間に、そんなふうになってしまったのか。ライブドアが上場する前、だから社名でいえば、『エッジ』のまだ前の『オン・ザ・エッジ』と名乗っていた頃に、一度その事務所にいったことがある。確か六本木辺りから渋谷に引っ越してきたばかりで、まだオフィスもきちんと片付いていないような状態だった。


マザーズができるとか、そこに上場するんじゃないか、なんて話がちょうど表に出始めていたころのことだ。知り合いのウェブデザイナーがエッジに転職することになって、ちょうど仕事でウェブ絡みでちょっとシステム系の知識が求められる案件があったから、相談に乗ってもらおうとたずねた次第。


対応してくれたのは、当時のナンバー2だった人。残念ながら堀江さんには会えなかった。その頃のエッジは基本的にはホームページを創る会社だった。とはいえセンスがちょっとよかったり、技術的にちょっと先をいっていたりして、それが売りだった。今も続いているみたいだけれど堀江さんは、HotwiredのNews Watcher's Talkでかなりイケてるコメントを出していて、なかなかすっげーなあなんて思ってもいた。


エッジに入ったウェブデザイナーの子からは、最初、明け方によくメールが来た。5時とかひどいときには7時ぐらいに「これから帰って寝ま〜す」なんてね。企業ホームページの第一次ブームで、仕事がさばききれないぐらい来ていて、大変だって話だった。


で、大阪あたりでも「うちもホームページぐらい作らんとあかんな」なんて企業からの話があったりして、その子のところに「これこれのホームページ、エッジでやってもらったら、どれぐらいかかるん?」なんて話をふったこともある。出してもらった見積りは「ウッソー!」みたいな額だった。ああ、東京やったら、これが相場なんかとがっくりきたこともはっきりと覚えている。


が、しょせんはホームページ制作だ。そこそこの企業がしっかりとお金をかけて作ったとしても、せいぜい一千万ぐらいまでだろう。しかもこのビジネスには、ものすごく大きな制約条件がある。それは必ず人手がかかるということだ。時間生産性が低いともいう。


パソコンというツールを使いはするけれども、基本的には家内制手工業みたいなもんである。だからこそ、きちんと考えられたコンテンツを持っていて、しかもユーザビリティなどもよく設計されたサイトには価値があるわけだ。そして東京ではそうした価値がきちんと評価されて、それなりの(まあ、若干のプレミアはついていたとしても)対価が得られたのだろう。


もちそん、そうしたちゃんと作られた企業ホームページは、企業にとっては新たな価値を産み出す設備となるとも思っていた。だからホームページ制作は、これからの企業にとっては設備投資ですよなんて話をあちらこちらでしていたことも覚えている。残念ながら大阪あたりでは、ほとんど理解されなかったけれど。


ところが、そうしたちまちましたビジネスではいつの間にか堀江氏は飽き足らなくなったんだろうなあ。だから、今のライブドアの事業部門別収益をみれば、サイト制作なんて売上で全体の1割、収益では3%にも満たない。これにくらべれは収益の8割が金融だ。


金融を虚業だと言い切るほどの知識はないし、そんな大胆なことをいうほどの自信もないけれど、地道にいいホームページを作って、きちんとした価値を作っていくという企業ではなくなったみたいで、それは残念だと思う。


同じように時価総額経営やM&Aを駆使して伸びているベンチャーMCJ)のことを、たまたまよく知っているんだけれど、ここはあくまでもモノを作って価値を提供するという企業活動の根源がきちんとしていて揺るがない。いわゆるベンチャー企業でも、その中身をよくみれば、ずいぶんと違うんだということ、あるいは価値を提供して対価を受け取るとはどういうことかなどを改めて考えさせられた。



昨日のI/O

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O社・プロモーション企画書
R社・社長インタビュー原稿
M社・社長インタビュー原稿



昨日の稽古:富雄中学体育館

・基本稽古
・ミット稽古(ミットを使った回し蹴りの受け)
・組み手立ちでの移動稽古
・組手