おもしろい週休二日制

週に５日働いて、２日休む。

これが週休二日制。ふつうに考えると、自由に使えるのは一週間のうちたった二日しかない、とちょっと切なくなってしまう。

ところが少し考え方を変えてみるとどうなるか。具体的にはモノサシを日にちではなく時間にしてみるわけです。すると週休二日制は、週４０時間（まあ実質的な拘束時間ということで、６０時間ぐらいとしてもいいでしょう）制となる。これなら自由に使える時間は、少なくとも１０８時間もあることになる。

日にちで考えると、仕事の日vs自由な日＝５vs２
時間軸で考えると、仕事時間vs自由時間＝６０vs１０８

ずいぶんイメージが変わってくるとは思いませんか。もちろん自由時間の中には、寝る時間（４２時間ぐらいは必要でしょう）とか、食事、風呂、通勤とかも入ってくる。とはいえ、それらは自分の考え方次第で、どうにでもできる時間だ。自由になる『日』と考えると２日しかないけれど、実は自由になる時間は１００時間ぐらいもある。

こんなふうに考えると、なんか解放されたような気分になりませんか。といった話が『できる人は１週間を「１６８時間」で考えている／本間正人』に書いてあった。

そんな本を読んだ日に、さらに仕事と休みの関係について、もう一つおもしろい話を読んだ。自称『へんな会社・はてな』は週休二日制なんだけれど、休みの取り方が普通じゃない。休みとなる２日のうち日曜日は固定で、あとの一日は土曜日、もしくは水曜日のどちらかを選んで休めるシステムになっている。これ、いいですよね。
→ http://d.hatena.ne.jp/jkondo/20060215/1139968530

おなじ週休二日制でも、月曜日から金曜日まで連続５日働くのと、月、火と働いて水曜日に一休みして、また木、金、土とがんばって日曜日にはほっこりするのでは、ぜんぜん働き方が違う。

たとえるなら、月〜金の週５日制は、２５メートルを潜水で泳ぐようなもの。ぐ〜っと息を詰めて、水の中で全力でもがき続けて、金曜日の夜にプハ〜っと水の上に浮かび上がって解放、みたいな。

だから花金には開放感があって、それはそれでいいんだけれど、金曜の夜には気持ちが大きくなって、つい飲み過ぎたり遊びすぎたりして、土曜日は目が覚めた時点で半分ぐらい終わってたり。で、土曜日にだらだらするから、日曜も朝起きられなくて、なんかだるいな〜状態のままブルーマンデーに突入的気分になりがち。

これにくらべて水曜、日曜休みパターンは、同じ２５メートルを泳ぐのでも、息が苦しくなる前に息継ぎできるイメージになる。疲れがたまらないうちに休めるから体はずいぶん楽になると思う。疲労も蓄積しないんじゃないだろうか。

そのうえ水曜が休みということは平日に休めるということで、これはちょっとどこかへ遊びにいったりするのに、とっても有利。だって土日ほど混んでいないだろうし、それに何よりほかの大勢の人が働いているのを横目にしながら、自分は休んでるっていう開放感は大きい。

この意味では日曜日と水曜日パターン、日曜日と木曜日パターンでもいいんだろう。というか日曜日に働いたっていいわけで、その方が余計な電話などが入ってこない分、効率がよくなったりするのかもしれない。となると土曜日と火曜日がお休みパターンとかもありだ。

とまあ、ここまではどこかに務めている人のための話で、これが自営業となると、また考え方が少し違ってくる。特に基本的に好きなことを仕事にしている場合は、仕事時間＝楽しい時間になるわけで、仕事があると、どうしてもだらだらとやってしまう。

仕事がおもしろいからだらだらとやるのは、テレビがおもしろいからだらだら見てしまうのと、構図としてはあんまり変わらないわけです。

ところが生産効率を考えれば、これはこれでおおいに問題ありとなる。じゃ、どうすればいいのか。ガズーバの大橋禅太郎さんみたく週４日労働を自分のルールにしてしまうといいのかもしれない。週４日だけれど、ガァ〜ッと集中して、一日１２時間はがっつり働いて、残りはリラックスモードみたいな。

といってもやっているのが好きなことなんだから、休んでいる３日間もどうせ、仕事のことは潜在意識のなかに残っている。でも、基本的にはリラックスモードになっているからほわ〜んと発想が広がったり、全然関係ないアイデア同士が何かの拍子でつながったり。結果的に、ず〜っとうんうんいいながら考えているよりも、はるかによい成果が得られたり（することもあるかもしれない）。

これは、なかなかおもしろいそう。しかも自営業なんだから、わざわざ自分は週休３日制でやってます、なんて公言する必要もないわけで。より高い価値を創りだすためは、どう働いたらいいのだろうと考えると、じつはいろんな選択肢があるのだと気づいた一日でした。

昨日のI/O

In：
『できる人は１週間を「１６８時間」で考えている／本間正人』
『ひととき』有馬特集
エグゼ社・経営会議
Out：
エグゼ社・経営会議