Amazonとbk1の違い


423冊


2000年7月から2004年の夏までにbk1で買った本の数である。この頃はオンラインで本を買うといえばbk1オンリーだった。確かbk1がスタートした頃には、まだAmazonの日本版ができていたかどうか。記憶が定かではないけれど、それぐらいの時期だったと思う。


選択肢が限られていたのと、bk1には知り合いがいたこともあって、こちらを贔屓にしていた。そのころオンラインで買っていた本は、そのほとんどがビジネス書である。それも90%が新刊だった。だからたいていの本は注文して2〜3日後にはきっちりと家に届いた。最初の頃はたしか送料がいくらかかかったけれども、それでも電車賃を使って大阪の本屋にまで出かけて、重い本をぶら下げて帰ってくることを思えばずいぶんと楽でいいよなあと思っていた。


ところが2年前の夏ぐらいから、bk1を使わなくなる。といっても本を買わなくなったわけではない。bk1からAmazonへと鞍替えしてしまったのだ。その理由は3つある。


まずは品揃えの豊富さ。本だけに限ってみても、たぶんAmazonの方がbk1の5倍ぐらいはあるのではないか(これはまったくの当てずっぽうで何の根拠もありません、もしかしたら100倍くらいかとも思います)。とにかくbk1に対する最初の不満は、欲しい本が見つからないことだった。本の名前や著者、あるいは出版社などを頼りに検索をかけると、扱っていないという表示がでる。こうした本はたいがい仕事で必要な資料関係なんだけれど、それらは新刊ではないケースもある。そして新刊以外での品揃えがbk1は弱かったのだ(もしかしたら今は強化されているのかもしれないけれど)。


しかもAmazonなら、古書もリスティングされる。資料本を探すときには、この古書ルートがすごく助かる。たとえば誰かにインタビューをする仕事が決まって、その人が書いた本をできるだけ集めたいとなったときに、新刊ならbk1でも手に入るけれど、昔の本はまったくアウトだ。これがAmazonなら古書で手に入る。しかも古書は在庫があれば、すぐに送ってくれるのだ。この場合は送料が若干かかるけれど、何しろ仕事で必要なのだから、そんなことは問題ではない。だからAmazonがいいなあとなっていく。


そして次がディスカウントクーポンを割と頻繁に送ってきてくれること。これまた記憶が飛んでいるから(2年以上前の細かいことを覚えておく個人メモリーがかなり損傷しているようで申し訳ないです)断言はできないのだけれど、bk1からクーポンをもらったことはないような気がする。これに対してAmazonは3ヶ月に1回ぐらいの割合でくれるようだ。もっとももらったはいいけれど、いざ買うときには忘れていることも多いので、実質的にはあまりメリットを享受していないのだけれど。


さらにAmazon3つめの良いところ(というかこちらの経済状況にとってはよくないところでもあるのだけれど)は、CDも扱っていること。いまや扱いアイテムはなんだかんだと1000万点ぐらいあるらしいが、自分の場合とりあえず危険なのがCDである。酔っぱらったときに絶対にAmazonへのアクセス禁止、これを自分への戒めとしているのだけれど、時々音楽を聞きながらぼや〜っとネットにアクセスしているときがあって、そんなときのAmazonはものすごくヤバい。そのときたまたま聞いていたアーティストのCDが数日後に数枚届いて「えっ、こんなに」なんて驚くというか力が抜けることがままある。


酔っぱらってご機嫌さんになって、しかも気が大きくなって「そうそう、このバンドはこんなCDも出してたよなあ。いっちょ買っとこ」みたいなノリだ。しかもAmazonはリコメンドが充実している。たとえばCANというバンドのコーナーでいろいろ作品を見ていると、同じくCANのファンらしき人が書いたいろんなレビューを見ることができる。こういう人たちは自分と同じくジャーマンプログレファンだったりするわけで、アモンデュールについて、とかクラウスシュルツについてとかのレビューへとついつい誘い込まれてしまう。これが実に危険だ。


ということで、やはりAmazonはすごいなと。そして今例に上げたような調子で今さらにしてCANが売れたり、アモンデュールが売れたりすることをロングテールというのだろう。


ジェフ・ベソス氏が最初からここまでの構想を持ってAmazonを始めたのかどうかは知らない。途中段階ではずっと赤字続きで、実はAmazonのビジネスモデルは成立しないのではないかともいわれた時期もあった。しかしここまでの規模になると完全にモデルとして成立しているように思う。Amazonの価値を、とりあえず探している『モノ』がたいてい手に入ることだ。と考えれば、とりあえず探している『情報』がたいてい手に入るGoogleと実は構造的には似ているのであり、だからこそグーグルゾンなんてことがいわれたりするのか、などとも思った。




昨日のI/O

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『ことわざ・四字熟語に強くなる』
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昨日の稽古:西部生涯スポーツセンター

 ・ミット稽古(突き、回し蹴り、前蹴りを10分ずつ)
 ・スパーリング(これは参加せずに、突きの受けを練習しました)