子どもの試合について


息子が空手の試合に出た。


残念ながら一回戦で負けた。一応、延長判定の結果とはいえ、自分のいいところをまったく出せなかったという意味では完敗である。勝てなかった理由ははっきりしている。明らかに稽古不足だ。


昨日の大会の参加者は360人ぐらい。大阪のいろんな道場から選手が集まってくるレベルの高い大会だった。自分の子どもは今回、練習していないので勝てなかったにせよ、では、こうした大会で勝つためにはどんな稽古をすればいいのだろうと思ってできるだけ多くの試合を見た。勝つためには、どうも二つポイントがあるようだ。


一つは自分の型をもっているかどうか。もう一つは、その型で試合時間の1分半を戦い続けるだけのスタミナを備えているかどうか。


型については、さらに2つのパターンに分類されるようだ。体格のいい子、体重がある子は、とにかく前傾姿勢気味になって、相手に体を預けるようにして押しまくる。突きがメインだけれど、ローキックをポイントで混ぜていく。これが一つ。


もう一つは、やはり突きをメインとしながらも、隙があれば上段を狙っていくタイプ。いずれにしても最初のぶつかり合いで、絶対に引かないことが条件のようだ。


そしてスタミナ。持久力については、大きな誤解をしていたようだ。つまり子どもは元気だから、1分半ぐらいなら全力で動き続けることができるだろうと思っていたのだけれど、たぶんそれは無理だ。1分半全力で戦うためには、それなりの準備をして体を作っておくか、あるいは1分半といえども、どこかで抜く時間を持てるように計算できなければもたない。


とはいえ小学生に試合の流れを読んだり、意識的に抜く時間を持たせるのはムリ。だから試合時間が1分半なら、その間をずっと動き続けられるだけのスタミナを付けておく必要がある。要するに体に1分半攻め続けることを覚え込ませる稽古が必要なのだろう。


もちろん、そうした稽古をすれば必ず勝てるのかといえば、それはわからない。でも勝つ確率が少しは高くなるように思う。ただし、ここで根本的な問題も出てくる。そうした試合に勝つための稽古と、本質的な空手の強さの問題だ。もっといえば子どもの試合で勝つためには二つの型がありそうだけれど、子どものときからその型ばかりをやっていて、本当の意味での空手の強さを身につけることができるのだろうか。


もちろん負けるよりは勝つ方がいいとは思う。が、勝つための稽古だけを子どもにさせるのはどうかとも思う。


それよりうちの道場では、空手の技をきちんと出すこと、出せるようになることを重視して教えてもらっている。それはたとえば一つ一つの蹴りを、きれいに蹴れるかどうかという視点でみる。きれいということは、無駄な動きがないということ。だから筋力がついてくれば自然に威力も伴ってくる。それが大きくなってから総合的に強くなるためには、いちばんいい方法だと思う。


あるいは正確な受け返し。昨日の試合でも勝つことはできなかったが、みんな、きちんと受けはできていた。うちの道場の子どもたちの受けのレベルは、相当に高いと思った。これは日頃から受けをきちんとやる稽古をしているからだ。そして言うまでもなく空手の本来の目的の一つである我が身を守るためには、受けがとても大切なポイントになる。


だから、今の稽古でいいのだと思う。そして、次の試合に臨むときには、何かテーマを持つようにすればいいのではないだろうか。たとえば突っ込んでくる相手との距離を保ちながら、蹴りを出しまくるとか、あるいは相手の最初の突進をまず何とかして前蹴りで止め、それから攻めるとか。


もちろん試合なのだから負けてもいいと考えるのではなくて、何かテーマをもって臨み、それをできたかどうかを真剣勝負で試す場。そんなふうに考えてやらせてみるのも一案などと思った。




昨日のI/O

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昨日の稽古:

 カーツジョギング