はてなで口コミ?
基本料金420万円
ということは広告経費率を標準的な3%とすれば、少なく見積もっても1億4千万以上の売上か。それって全然大したことないかもな、と計算しつつ「でもなあ」と違和感が残る。あちらこちらでいろいろ言われているらしいグリーとはてなの口コミ広告である(日経新聞4月25日)。
まあSNSとして先行するmixiに大きく差をつけられたグリーが、ちょっと変わった広告手法を取り入れてやってみよう、というのはわからないこともない。まだ数十万単位しか会員はいないわけで実験的な試みはかえってやりやすいのかもしれない。各会員がどんなコミュニティに属しているのかがわかっている=ある程度の嗜好性もつかめているわけで、的外れなターゲッティングとなるリスクも抑えられるだろう。一応個人的にはグリーにも入っているけれど、ほったらかしだから勝手にやってくださいって感じか。
ところが「はてな」は違う。
「はてな」が広告をやっちゃいかん、なんてことを言ってるわけじゃまったくない。というか現にやってる。なんだけれども、記事を読んだときにものすごい違和感があったのだ。この違和感が何だったのかを考えている。
で思うのだが、やはり「はてな」らしくないのだ。
何がか。
新しい口コミ手法がである。その仕組みはつぎのようになっている。
1.A社がB商品の紹介サイトを(はてな内のどこかに?)立ち上げる
2.抽選で商品をプレゼントするキャンペーンに会員を誘導する
3.キャンペーンに参加した会員の日記に自動的に書き込みがされる
→「A社のBが欲しい」
4.日記を見た友人・知人・訪問者が新製品の存在を知る
5.日記に書かれた商品名クリックで紹介サイトへ誘導される
引っ掛かるのは、3だ。人の日記に勝手に「A社のBが欲しい」なんて書き込まれることだ。今さらパーミションがどうのこうのという時代ではないのだろうし、そんなことで抗議するつもりもない。これまたグリーやmixiなら、あらかじめきちんとアナウンスしてやったらいいんじゃないかとも思う。
しかし、これは「はてな」のやり方ではないだろう。こちらが勝手に思っているだけかもしれないが「はてな」ブランドに対して抱いているブランドイメージに、こんなふうに人の庭に土足で踏み込むような真似は含まれていない。ここに違和感があるのだ。
やっとわかった。
同じ口コミを使うにしても、口コミをつかっていることをまったくオープンにしないで流していくやり方もある。実際にそうした口コミ広告を請け負って伸びている企業もある。それはそれでいいと思う。
そう考えれば最初から口コミやりまっせと大々的にアナウンスする今回のやり方は、オープンさという意味では「はてな」らしいといえるのかもしれない。が、人の日記への勝手な書き込み、という一点だけは、どう考えても「はてな」じゃない。個人的にはそう強く思う。だって、これってちっとも「へん(変)」じゃないでしょう。
同じ口コミやるにしても、はてなだったら、もっと「変」なやり方をやんないと。今回の件で「はてな」がこれまで築いてきたブランドイメージが傷つかないことを願う。