旅人算おもしろい


旅人算8問で20分


相変わらず、息子の算数のテキストを一緒になって(というか競争しながら)やっている。小学校4年とはいえ、なかなかに手強い。でも、だんだんおもしろくなってきた。


たかが旅人算とあなどるなかれ。


時系列での人の動きを考えていくことは、意外に仕事にも活かせる思考訓練になる。実は旅人算そのものはそれほど難しくない。少々複雑な問題でも、基本的には一方向的な時の流れに従って出来事が起こるのだから、それを筋道立てて追っていけばいい。この筋道立てて、というところがポイントだ。ゴールを想定して時間を追って人の動きをきちんと考えて行くのは、まさに仕事への取り組み方そのものではないか。


これはいささか余談だけれども、旅人算を子どもに説明しようと考えていると、なんか頭の中がすっきりしてくる。それがおもしろいというか気持ちいいというか。


なぜかと考えてみるに、やはり『時系列』にフォーカスしているからではないかと思い至った。考える軸がはっきりするのである。A君とかB君とかいろんな人が出てきて、追っかけたり出会ったり、出会った瞬間に反転したりと、問題をややこしくするのだけれど「それっていつ、どこでのことなん?」と絞り込んで考えていくと、だいたいすっきりと解ける。


と親は面白がっているのだけれど、この感覚を子どもと共有できるようになるには、もっと噛み砕いて説明してあげなければならない。これがまた自分の思考を深めてくれる。


つまり、わからない相手にわかるように説明しようと思えば、次のようなステップを踏む必要があるわけだ。


まず全体像を共有すること。基本的には何らかの絵を描くことが大切で、旅人算の場合はほとんどが線分図になる。そして登場人物の進む方向を矢印で示す。ここまでがオッケーなら、次は追いかけるのか、出会うのかに分類する。そしてポイントは、いずれの場合も二人が一定時間にどう動くのかに絞り込んで考えること。ここまでが原則となる。


あとは問題によっては、足の早い方が終点まで先に行って折り返す場合とか、登場人物が三人になる場合など複雑化された問題を、一つ一つ解きほぐして単純化していく。このバラす過程が教える側には、勉強になるというかアタマの体操になるというか。


一件複雑に思える問題文を読み解いて、構成要素(つまり登場人物の動きとか位置関係ですね)に分解していく。ここがなんかおもしろいのだ。それを4年生の子どもがわかるように説明できるかどうかは、自分がどれだけ単純化して理解できているかにかかっている。


とまあ、これは何も算数の問題に限った話ではなくて、実はあらゆる物事を理解するための一つの方法なのだ。こうしたバラバラ解析型の理解の仕方の対極には、直感わしづかみ型理解法もあるのだが、これができるのはごく一部の天才だけ。凡人としては、ありきたりな言葉になるけれど「コツコツ、少しずつ」が確実な方法で、しかもこれなら人によって進み方は違うけれども、誰でも必ず進めるやり方ではないか。


そして、目標としては難問レベルの問題(問題集の中に『研究』レベルというのがあって、これが相当に手強いのです)を、「エレガントな」解法で解けるようになること。さらにその解法を4年生の子どもにもすっと納得できるように説明できるぐらいにはなりたい。


などと望みがふくらんでいる。進学塾の算数、面白しである。





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