mixi、次の一手は
3ヶ月で会員135万人増加
ミクシィの会員数が6月で435万人に達した。ちなみに3月時点での300万人は、同時期の日本のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)利用者数716万人の約42%にあたる(日経新聞6月12日)。
シェア42%といえば「クープマンの目標値」にあてはめると、ほぼ相対的安定シェア(厳密には41.7%)となる。
こうなると
不測の事態に見舞われない限り、逆転されることはない。この数字はシェア獲得の最終目標として掲げられることが多い。トップにこの数字を握られると、下位ブランドや企業はシェアを上げにくくなる。またこのような市場では、特別に有利な条件がない限り、新規参入しても成功する確率は極めて少ない。
p184〜p185『シンプルマーケティング/森行生』翔泳社
とりあえずミクシィはSNSの世界では圧倒的なポジションを確保したようだ。ところが、未だにそれほど広告が増えたという印象はない。トップページにはバナーが二つ、あとはものすごく目立たないテキスト広告が一行、たまに入っていたりするぐらいだ。
もちろん、すでに一日あたりのページビューが1億5000万まで来ているから、媒体料金はそれなりに上がっているだろう。単価が高ければ出稿数が少なくても、採算は取れているのかもしれない。そして今は出稿数を増やすことよりもだれに、どんな広告を打てば効くのかを、じっくりと研究しているのかもしれない。
たまたまミクシィ社長・笠原健治氏のインタビュー記事(『日経アソシエ』誌6月6日号)を読んで思ったのが、このモデルは『ガールズウォーカー』にそっくりだってこと。今やダントツの日本一の携帯通販サイトとなった『ガールズウォーカー』はスタート当初、物売りや広告は一切考えなかった。そうじゃなくて、どんなコンテンツがあれば若い女の子たちが見に来てくれるか。この一点に絞り込んで、いろんなコンテンツを創っていった。
→ http://pc.girlswalker.com/
ページビューが増えて、一人ひとりのサイト滞在時間が増えてくれば、自然にモノが売れるようになる。これをゼイヴェルの大浜社長は『東京ディズニーランドモデル』と呼んでいた。ディズニーランドでお土産やいろんなグッズが売れるのは、モノそのものに魅力があるからじゃない。ディズニーで過ごす楽しい時間がお客様をとても快な気持ちにさせ、その心地よさが買い物につながる。これと同じことを携帯サイトでもできるんじゃないかというのがゼイヴェル(ガールズウォーカー)モデルである。
同じく笠原氏も「毎日見る楽しさ」を意識して、「日記機能」や「足あと機能」のように、それまでのSNSにはなかったサービスを追加する。結果的には、これが当たった。おかげでミクシィは総利用時間(滞在時間×利用者数)で「2ちゃんねる」「ニフティ」を抜き、Yahoo!、楽天に次ぐ国内第三位のポジションを確保しているという(日経新聞6月12日)。これってミクシィがポータルになってるってことだと思う。
しかもミクシィの場合は、プロフィールをつかんでいる。やろうと思えば、相当に精緻な広告を打てるはずだ。ここは、今後変わって行くどころだろう。
ただせっかく日本独自のSNS、新しい形のサービスモデルを創りだしたのだから、収益モデルについても何か画期的なモデルを産み出してくれないだろうか。広告とか物販とかオークションじゃない何か。コミュニティの存在そのものを価値(=対価を支払ってもいいと思えるような)として高める。そんなビジネスモデルが生まれてくることを期待したい。
とりあえず西の(というか京大の)はてな・近藤社長、東の(東大のということですね)笠原社長。この両社の今後の展開は要チェックだ。
昨日のI/O
In:
Out:
新製品開発に伴う新事業立ち上げの提案書
※10ページだけれども、相当に集中したので疲れ切りました。
昨日のBGM
The Best of the Ballads/Bryan Ferry
Gentlemen take polaroids/Japan
KOKOMO/KOKOMO
Rare Collection/Jaco Pastorius
Wonder Record/Van Der Graff Generator
Brain/Hiromi
Bigger than both of us/Hall & Oates
※雨の日、企画書の仕上げという集中力を使う仕事の時は、こうしたじっとり系の音が合うような。
昨日の稽古:
・カーツ散歩