Gyaoとmixi、どちらが強いか
ユーザー数1000万vs435万
視聴登録者と会員数では厳密には比較の対象とならないにせよ、とりあえずGyaoの方が倍ぐらいになる。Gyaoのサービス開始が昨年4月、1年ちょっとで1000万会員は悪くないと思うが(人口のざっと10分の1ですよ)、いまだに黒字化していない(日経新聞6月17日)。
mixiの方も数字は明らかになっていない。だから現時点で黒字なのか赤字なのか、収益が伸びているだろうと予測はするものの数字の裏付けは何もない。
→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20060616/
mixiとGyaoの共通点は、今のところどちらも収益を広告に頼っている点である。厳密にはmixiは会費収入もあるが、これは微々たるものだろう。では、収益源を広告とするネットビジネスとしてGyaoとmixiを比べてみると、その将来性はどうなのか。
両者には、実は決定的な違いがあると思う。
ロングテール時代の広告メディアとしてどちらが媒体価値が高いかといえばmixiじゃないだろうか。なぜか。mixiとGyaoではアクセスユーザーの姿勢が根本的に違うからだ。
Gyaoを見るユーザーの姿勢は基本的に受け身である。なんかおもしろい番組見て(というより眺めて)、時間を潰すみたいな感じ。Gyaoユーザーのほとんどがパソコンのモニターで見ているとは思うが、向かい合う姿勢はテレビを見ているときの状況に近いはずだ。リビングでテレビを見るようにふんぞり返ってはいないものの、だらんとした気持ちで眺めているのは間違いないだろう。
一方mixiは、わざわざ見に来るサイトである。もちろん広告を見に来るわけではまったくないけれども、「見に来る」能動性がポイントだ。意識が活性化されているから広告が目に留まる可能性はGyaoより高い。出稿サイドからみれば、この点を以てmixiの方が価値が高いと判断するのではないだろうか。
つまり時間と場所の自由はあるがGyaoはあくまでも従来のテレビの延長線上にあるメディアであり、mixiはまったく新しいメディアともいえる。将来性でいえばmixiの方があると思う。
さらに収益構造を考えると両者の違いははっきりする。
Gyaoはコンテンツを仕入れなければならない。というか常に可能な限り新しいコンテンツを仕入れ続けなければならない。当然、そのためのコストが必要だ。一方、mixiはシステムコストはかかるだろうが、コンテンツはユーザーが勝手に作ってくれる。コンテンツコストはゼロである。
ビジネスモデルとしてどちらが有利かはいうまでもない。
それにしても昨年10月にはGyaoがいいってエントリーを書いたのにな。なぜ、その通りにいってないんだろう。あのときは日経ビジネスの記事によれば「出稿枠はすでにすべて埋まっており、出稿費としてはテレビと変わらない額を通している」とあった。あの記事がガセだったんだろうか。
→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20051009
6月17日付けの日経新聞によれば「広告収入が計画の半分にとどまり」とか「サービス開始当初に広告獲得に苦戦した」なんて書いてある。印刷メディア、それも日経クラスでもうかつに信じちゃダメってことなのかもしれない。
あるいは、昨年10月からわずか8ヶ月で世の中の状況が変わってきている証なのか。つまりロングテールだとか、あるいはWeb2.0だとかいわれている状況が進んでいる証拠として理解すべきなのかもしれない。
昨日のI/O
In:
『子どもはわかってくれない/内田樹』
Out:
メルマガ
昨日のBGM
Unit Structures/Cecil Taylor
The very best of Cream/Cream
esprit/Kazumi Watanabe
Greatest Hits/The Police
Standards Live/Keith Jarrett Trio
※一発めにCecil Taylorを持ってきたのは失敗でした。一日中、なんかうまくリズムが取れなかった。
昨日の稽古:
カーツジョグ/ダッシュ
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- 出版社/メーカー: Blue Note Records
- 発売日: 1995/11/29
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