まぐまぐとmixiを比べてみると


ユーザー数3400万vs435万


まぐまぐ』ののべ読者数と『mixi』の会員数である。昨日に続いて、これまた厳密な比較の対象とはならないのだけれど、まぐまぐmixiの8倍ぐらいになる。かたやメールマガジン(を配信するシステム)、かたやSNSソーシャルネットワーク)。やっていることは違うようにみえて、ビジネスモデルの本質は同じじゃないかというのが、今日のお題。


まずはまぐまぐ。ここに関わるのは次の4者である。まぐまぐ本体とメルマガ作者、読者、そして広告スポンサー(代理店含む)。


まぐまぐメールマガジンの配信(ついでに広告掲載)システムを担当する。提供している価値は、メルマガの配信/購読と広告の配信である。対価は広告掲載料と有料版配信からの手数料(収益に占める割合はせいぜい20%ぐらいだと思う)である。


作者は、せっせとまぐまぐのコンテンツを作る。作者が提供している価値は、メルマガそのもの(つまり情報)である。対価は、提供している価値に応じて金銭(有料版の場合や広告)もあれば、自社サイトへの誘導(一種の広告)、あるいは単なる自己満足って場合もあるだろう。


読者は、まぐまぐのメディアバリューそのものである。つまり読者が提供している価値は、まぐまぐの媒体価値である。対価は、無料で自分の関心あるメルマガを読むことができる(=情報を得ることができる)こととなるだろう。


そして広告スポンサーがいる。


このモデルは実にWeb2.0的ではないか。というかCGM(コンシューマージェネレイテッドメディア)そのものというか。まぐまぐ自体はコンテンツ制作には一切タッチしない。まぐまぐが提供するのは、ユーザー(作者と読者の両方)にとって使いやすいシステムである。そしてユーザーが増えると当然広告媒体としての価値も高まるわけで、その時点で広告収入を得る。こんなモデルだ。


ではmixiはどうなのか。ビジネスモデルで考えれば、まぐまぐとまったく同じだと思う。少なくとも関わるプレイヤーは同じく4者。ただしmixiの場合は、まぐまぐのように作者と読者がはっきり分離しているわけではない。そうじゃなくて基本的なコンテンツは日記とコミュニティの書き込みだから、作者と読者が渾然一体化していることにになる。


日記はメルマガとは根本的に異なる。書き手の意識がまったく違う。一応公開されているとはいえ、日記の公開範囲は所詮mixi内である。しかも自分の日記を読みにくるのは、基本的に知り合い(マイミクというネット上で新しく生まれた知り合いを含めて)である。


コミュニティへの書き込みは、日記よりもパブリック性があるとはいえ、こちらも基本的には同好会とかサークルのノリだ。小難しいことを書き込むことはないし、そこで場が荒れるような書き込みが飛び交うこともない(と思う)。


mixiが提供しているのは、やはりシステムである。最近でこそちょろっとニュース提供が始まっているけれど、本質的なコンテンツはユーザーが勝手に作ってくれる。そのコンテンツ(基本的には日記とコミュニティへの書き込み)が、人を呼び寄せる。呼び寄せ続けて435万人となっている。


mixiは一応クローズドメディアであり、ユーザープロフィールがかなり詳細までつかめている。ということは、そのプロフィールを手がかりに広告の精度を上げることが可能だ。要するにこの人は、こんなプロフィールなんだから、この手の広告が合いますねってこと。さらには書いている日記の内容やコミュニティへの書き込みを分析して、よりピンポイントの広告を打ち込むこともできるだろう。


まぐまぐの場合は、ユーザープロフィールをつかんでいるわけではない。だからどんな広告がいいのかを判断するには、その人が読んでいるメルマガの内容が頼りとなる。広告の精度に関しては、mixiの方がメディア価値は高いといえるだろう。ただしまぐまぐは数が圧倒的である。のべにして3400万もの読者を抱えているのだから、こちらはすでにマスメディアといっていいのかもしれない。


さて、今後の展開である。


まぐまぐCGMとして盤石のポジションを獲得したように、mixiは日本でのオンリーワンSNSとなれるのか。なれると思う。ここはまだ直感のレベルだけれども、この手のいわゆるCGMは創成期こそいくつかのシステムが競い合うものの、最終的には一つのシステムに収れんしていくのではないだろうか。


なぜなら、その方がユーザーにとって都合がいいからだ。読者はめるまがといえば『まぐまぐ』に登録さえしておけばいいし、作者もメルマガを配信するなら「まぐまぐ』だけで十分である。ということで、ある時期からメルマガ配信システムは『まぐまぐ』に絞られていった。


SNSも同じような経過を辿るとすれば、いずれmixiの独り勝ちとなっていくはずだ。greeがどう反撃するのか、あるいは差別化を図っていくのか。ここはちょっと興味のあるところでもある。ほんと、どうするんだろう?



昨日のI/O

In:
『子どもはわかってくれない/内田樹
Out:
メルマガ
ボランティアメディア企画メモ

昨日のBGM

Street Beat/Tom Scott
Gone to Earth/David Sylvian
Gaucho/Steely Dan
※昼からは子どもとバッティングセンター、公園でキャッチボール&百本ノック、締めくくりは子どもに加えてイヤがるわんこも引きずりながらのちょっと長めのジョギングなどをやったために、仕事進まず=BGMも不要状態でした。

昨日の稽古:

・カーツジョグ
・レッシュ式腹筋、腕立て


Gone to Earth (Dlx)

Gone to Earth (Dlx)