iPodはカーライフを変えるか


累計5800万台


これまでに世界で販売されたiPodの台数だ。日本でのシェア50%、アメリカでのシェア76%。iPodは圧倒的なシェアを取っている。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/forbes/060203_ipod/index.html


iPodについては、このブログでも何回か取り上げてきた。
http://d.hatena.ne.jp/atutake/20051209/
http://d.hatena.ne.jp/atutake/20060214/
Appleの狙いはいろいろあるのだろうが、とりあえずアメリカでは自動車用オーディオのデファクトとなったようだ。ダイムラークライスラーやHONDAはすでにiPod対応車を販売中、今後はGM、フォードもiPod対応となる。2007年モデルなら新型車の7割以上がアメリカではiPod対応となる見通しだ(日経産業新聞8月17日)。


自動車用オーディオといえばこれまでは、メインがCDでわずかにカセットテープが残っているという構図だった。しかしCDでは曲をかける順番を自分の好きなように設定することはできない。カセットテープならいろんなCDから曲をとってきて編集することができるけれども、そんなの面倒くさい。そこでiPodの出番となる。


これが画期的なのは、何万曲もの音源から好きなように聞く曲を選べる点だ。たとえばミュージシャン別に、あるいはHDDに蓄えられたすべての曲をランダムに、もちろんお気に入りのグループを設定しておいて、それを順番にかけることだってできる。こんなマシンはこれまでの世の中には存在しなかった。


カテゴリー的には『携帯音楽プレーヤー』に分類されているが、iPodは従来の『携帯音楽プレーヤー』とは似て非なるマシンである。従来の概念を根本的にぶち壊したマシンなのだ。そのiPodがいまカーオーディオの世界を根底から変えようとしている。


もしiPodがカーオーディオの標準となったら、どうなるのだろうか。


iPodは音楽プレーヤーだが、コンピュータでもある。これはスティーブ・ジョブズ自身がはっきりといっている。今のところは使い勝手のいいインプットデバイスこそ付いていないものの、中身は立派にコンピュータだ。しかも通信機能をつけることだって簡単にできる。というかアメリカではiPodを組み込んだ携帯電話もある(はず?)。


iPodはまさに「For Everyone, Everytime, Everywhere」なデバイスなのだ。今のところは音声関連がメインだけれど(すでに動画対応もしているけれど)、いずれはマルチパーパスになっていく可能性が高い。今さらいうまでもなくアメリカは車社会なわけで、アメリカ人がクルマの中で過ごす時間は日本人の比じゃない。そのアメリカでカーオーディオのデファクトとなってしまえば、iPodの力は飛躍的に強くなるだろう。


ということは、アメリカではいつもiPodがすぐそばにあるようなライフスタイルがやってきつつあるということになる。しかも、ただ、すぐそばにあるだけではない。音楽好きなアメリカ人のこと、iPodの電源は「always on」となっているだろう。


もちろん彼らはたいていノートパソコンを持ち歩いている。携帯電話(スマートフォンが多い)だって持っている。が、もしiPodスティーブ・ジョブズがいうようにコンピュータであり、使いやすいインプットデバイスや通信機能を兼ね備えるようになれば、ノートパソコンや携帯電話の代替となる可能性がある。


そのときiPodが得るポジションは何だろうか。
スティーブ・ジョブズiPodで何を狙っているのだろうか。


ちなみに日本でもiPod対応が自動車メーカー各社の重要なテーマとなっているようで、すでにマツダが接続用アダプターを今月発売することを決めた。また今年5月には三菱自動車iPod対応を売りにした(というか購入者にiPod nanoプレゼンとを目玉にした)特別仕様車を発売している。


これからしばらく、自動車+iPodは要注意マーケットだと思う。



昨日のI/O

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