なぜ日本はYahoo!なのか


アメリカでは 57.2vs21.3
日本になると 41.0vs50.7


2005年11月時点での検索エンジンのシェアである。左がGoogle、右がYahoo!となる。検索エンジンとしてはアメリカでは圧倒的にGoogle。そのシェア率は過去3年ぐらい変わっていないようだ。一方、日本ではGoogleのシェアが一年前から比べて一気に14ポイント伸びている。検索エンジンとしては、日本でもGoogleの認知度が確実に高まってきているようだ。
http://www.hyperposition.com/trivia/share.html


ただしサイト全体のユーザー数で見ると、日本では
Yahoo!:178万人 vs Google:47万人
未だに圧倒的にYahoo!が強い。とりあえずポータルサイトYahoo!を設定している人が多いのだろう。つまりYahoo!には検索以外の目的でやってくるユーザーがたくさんいることになる。


ちなみにサイトの総利用時間シェアでみれば、
Yahoo! :16.3%
楽天市場:2.1%
mixi :1.9%
2ちゃん :1.2%
となるらしい。
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20153847,00.htm


いろんな数字が出てきて、なかなかに謎ではあるが、とりあえず検索エンジンとしても、利用時間の長いサイトで見ても、日本ではまだまだYahoo!健在なり、といったところなのだろう。そして注目すべきは、mixiの急成長ぶりだ。この2点は日本でネットビジネスをやっていく上で、重要なポイントを示唆しているように思う。


つまり日本と欧米ユーザーのネットに対するスタンスの違いと言えばいいだろうか。ネットの根本的な使い方の違いと言えばいいか。


欧米ユーザーの場合は、あくまでも自分が知りたい情報を自発的に得るための手段としてネットがあるのではないだろうか。これに対して日本の場合は、まだまだネットは時間消費のアイテムの一つにとどまっているように思える。ネットで何となくいろいろ見て、楽しく時間を過ごせればいい、といった感じ。ネットに対するイニシアティブの取り方の違い、とまで言えばすこし言い過ぎになるのかもしれないけれど。


個人的にはこれまで、いろんな人によく「ポータルサイト、何にしてる?」と聞いて回っていた。で返ってくるのが8割方がYahoo!。これが不思議でならなかったのだ。とりあえずYahoo!にアクセスしてメールもYahoo!だし、カレンダーとかいろいろ便利なツールもあるし、ニュースとかいろいろ見るところがあるし・・・、といったところなのだろう。確かに便利だし、とりあえずネットにアクセスしてメールをチェックして、あと「何かないかな」的に時間を過ごすならYahoo!はうってつけなのかもしれない。


ネットがそういう過ごし方をする『場』であるなら、mixiが急成長している理由もわかる。なんてことを考えていたら、過去に梅田望夫氏がこんなエントリーを書いていた。Yahooはメディアカンパニー、Googleはテクノロジーカンパニーといった分類をした上で。

「Jerry's Guide to the World Wide Web」をルーツとするYahoo創業以来のDNAで、そのDNAを言葉にすれば「Humans first, technology second.」となる。それに比べてGoogleは「Technology first, humans second.」であるとJohnは言う。実際には「Technology first, technology second, technology third, ・・・, humans ???」という感じだと僕は思うけれど。
http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/001944.html


このメディアvsテクノロジーという分け方が、Yahoo!Googleの本質を見事についていると思う。つまりメディアとは、いろいろな情報を「見せてくれる」場である。一方テクノロジーとは、あくまでもツールだ。ツールは使う側に使いこなす意図と技術がなければ、うまく使えない。この違いが日本でのYahoo!Googleの使われ方に出ているのだと思う。


と考えるならば、日本はまだ過渡期だと捉えることもできる。つまりパソコンリテラシーは上がってきているけれども、ネットリテラシーはまだまだなのだと。であれば日本の平均的なネットリテラシーが上がってきた時には、Yahoo!離れが起こる可能性もある。ただし、Yahoo!が単なるメディアからショッピングやオークションにシフトしてきていて「ついでに検索も」みたいなポジションに移って行くのだとすれば、日本ではYahoo!Googleの住み分けが成立するのかもしれない。


すでにYahoo!Googleでは、収益構造に相当な違いがある。これからユーザーのネットリテラシーが変わってくる時に、どちらが日本にフィットするのか。mixiはどう受け止められて行くのか。2ちゃんねるはどうなっていくのか。そしてYouTubeはどんな広告モデルを打出してくるのか。このあたりが、この先2年ぐらいのネットビジネスのキープレイヤーになることだけは間違いなさそうだ。


昨日のI/O

In:
『クチコミュニティマーケティング/日野佳恵子』
Out:
企業サイトリニューアル企画

昨日の稽古:富雄中学校体育館

・サーキットトレーニン
・基本稽古
・移動稽古
・ミットを使った受けの稽古
・受けの稽古


昨日のBGM

Manhattan Dreams/miki kohno
BLUE TRAIN/john coltrane
Tales from Topographic Ocean/YES