YouTube、広告スタート


YouTubeの閲覧者数:1300万人(6月アメリカ・日経産業新聞8月28日)
YouTubeのビデオサイトでのシェア:46.6%(7月アメリカ・週刊東洋経済8月26日号)


閲覧者数は意外に少ない感じがする。一方でシェアはクープマンの目標値に照らせば、相対的安定シェア41.7%を超えている。

この数字はシェア獲得の最終目標として掲げられることが多い。トップにこの数字を握られると、下位ブランドや企業はシェアを上げにくくなる。また、このような市場では、特別に有利な条件がない限り、新規参入しても成功する確率は極めて少ない
(森行生『シンプルマーケィング』翔泳社、2000年、184ページ)


動画投稿(実は検索)サイトとして、ほぼ完全にデファクトポジションを獲得したYouTubeが、遂に本格的な広告配信を始めるようだ。その第一弾となるのが、パリス・ヒルトンの新作CD販促。ヒルトンのイベントの様子や動画広告(ってプロモーションビデオのことだな)などをサイトで見ることができる。


これすでに始まっているようだ。ところが実際にYouTubeのサイトでチェックしてみると、広告のようにはまったく見えない。というか扱いとしては『Most Subscribed Channels (This Week)』コーナーの最上段に表示されている。そこからのリンク先がプロモーションサイトとなっている。
http://www.youtube.com/profile?user=ParisHilton


かと思えば、日本のテレビ局(東京MX)が放送と同時に自らYouTubeへ投稿するなんてニュースもあった。
http://www.mxtv.co.jp/company/press.html


大手テレビ局にとってはYouTube著作権侵害者として目の敵となるが、逆に弱小テレビ局にとってYouTubeは、自社の販促メディアとして使えるわけだ。


なぜ、こんなことが起きるのかといえば、すべてはYouTubeが集めている閲覧者数、あるいは獲得しているマーケットシェアのおかげである。とりあえずネット上では、ユーザー数をどれだけ多く集めることができるかが、広告メディアとしてのサイトバリューを測るバロメーターとなる。その意味では、YouTubeの戦略は確実に成功している。


しつこいようだけれど、YouTubeを動画投稿サイトとしてみていると、その本質を見誤る。いまはYouTubeは動画のGoogle的存在といってもいい。


『動画探すならYouTube


しかも、配信される動画のクォリティなどもレベルアップしているように感じる。資金手当がついて、ハード投資をできているのだろう。次にYouTubeを利用するのはどこか。どんな利用の仕方をするのか。このあたりの動きは、今後のテレビCM、テレビ、広告業界などを占う上で重要なヒントとなるだろう。



昨日のI/O

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日野佳恵子氏インタビュー原稿


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