ボーダフォンは生き残れるか
4人に1人が乗り換え検討中
10月24日に決定した番号ポータビリティ制度導入を前に、日経産業新聞がアンケート調査を行った。その結果、ボーダフォンユーザーの25%が乗り換えを検討しているという。それでなくともシェア3位のボーダフォンにとって、これはかなり衝撃的な結果ではないのだろうか(日本産業新聞9月1日)。
もっとも日経産業新聞の読者を対象とした調査だから、おそらくはボーダフォンの既存ボリュームユーザーと想定される学生などの若者層は、違った意向を持っている思う。このバイアスを調査結果からは割り引いて読む必要はあるだろう。
しかし。だからといってボーダフォンが安泰だとは決していえない。とりあえずドコモはFOMAの通信改善を大々的にアピールしている。また通信速度の高速化も果たした。これは、現時点で顧客が感じている不満要素を徹底的に潰して、乗り換えを防ぐ作戦と考えられる。
一方、auは乗り換え意向をもつユーザーが最も少ない上に、乗り換えるならauを選ぶ人が圧倒的に多い。これはおそらく音楽関連でauならではのサービスを次々とリリースしてきたこと、いち早く通信回線の高速化を実現したことなどが効いているのだと思う。
そして先月31日、ボーダフォンが解約手数料を発表した。すでに発表済みのau、ドコモと同額の2100円である。一方、解約して別のキャリアで登録するための手数料も、三社横並びで2800円ぐらい。この価格設定はとても不思議だ。
それでなくとも乗り換え意向を持っているユーザーが多いボーダフォンが、なぜ他社に合わせた価格設定をとるのだろう。その戦略が見えない。孫さんは「大人のソフトバンクになる(日経産業新聞9月1日)」なんてわかったようなわからないようなコメントを出しているけれど、それで本当に戦えるのだろうか。
少なくとも差をつけられてのシェア3位にいる企業のとる戦略ではないように思う。3社のシェアは大まかなところ、ドコモ:56%、au:28%、ボーダフォン:16%ぐらい。ボーダフォンはかなり危ないポジションにある。しかも番号ポータビリティ制度が導入されれば、ボーダフォンから乗り換えたいと考えている人が、少なくともビジネスパーソンには多い。
ここでなぜゲリラ価格戦略をボーダフォンがとらなかったのかが、謎である。ヤフーBB導入時には、ソフトバンクは強烈な価格戦略をとった。街頭、駅前あらゆる場所でタダでADSLモデムを配りまくっていたキャンペーン隊を覚えている人は多いだろう。当然、販促コストはかさみまくり、ソフトバンクの収支に大きな影響を与えたのだが、それを引き換えにヤフーBBはそれ相当のシェアを獲得できた。
二番煎じが効くかどうかはともかくとして、まともにぶつかっていてはじり貧になることはわかっていて、なぜ手を拱いているのか。
もしかしたら、なにか画期的なサービスの隠し玉でも持っているのだろうか。
それともボーダフォン買収に資金を使いすぎてしまい、もはや余力が残っていないのだろうか。
いずれにしても年内には、3社のこれからを占う新しいシェア状況が確定するはず。これはなかなかに見物である。仮に、ボーダフォンが巻き返すようなことがあれば、それはまさに生きたマーケティングの成功事例となるだろう。
昨日のI/O
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