時間が価値を創りだす


今日の100万円か、一年後の120万円か


『おりこうさん おばかさんのお金の使い方/板倉雄一郎』の中にある問題。どちらかを無条件でもらえるとしたら、さて、あなたならどちらを選びますか?


これが今日の100万円と一年後の100万円なら、まず99.99%(フォーナインと呼ぶらしい)が、今日の100万円を選ぶだろう。逆に今日の100万円と一年後の200万円なら、ほとんどの人が一年後の200万円を選ぶだろう。では、なぜそういう選択をするのか。


誰もが無意識のうちにではあるけれども、時間の価値をそれぞれに計算しているからだ。今日の100万円が一年後も同じということは利子ゼロ。それならいまもらっておいて、預金すればわずかではあるけれども利子がつく。逆に一年間で100万円を倍にしてくれるような投資案件は滅多にない。だから今の100万と1年後の200万なら、まず200万の方を選ぶ。


だから、たとえば一年あれば確実に成功させる事業プラン(でも輸入商品でもなんでもいいんだけれど)を持っている人がいて、それを実現するための資金が100万でいいならば、一年後の200万円ではなく、目の前の100万円を選ぶはずだ。この場合は、一年間で元手の100万円を300万円にも500万円にも、もしかしたら1000万円にでもする自信があるのだろう。


一年という時間が、その間の自分の活動が、100万円を数倍にする。これが時間の価値だ。お金について考える時には時間の影響をを必ずセットで考えなければならない。


なぜなら、この世の中で、何かの価値を創りだすためには、時間をかけることが必須だからだ。そして、お金すなわち対価は、何かの価値(時間をかけて創造されたもの)に対して支払われるものだ。


逆にいえば、時間が価値を産み出すのである。複利なる仕組が考えだされたのも、この時間効果に気づいた人がいたからだろう。仮にいま、あなたが20歳だとする。手元にはラッキーなことに100万円のキャッシュを持っている。これを年率12%の複利で30年運用するとどうなるか。何もしなくとも30年後には3000万円のキャッシュを手に入れることができる。


これが『ベニスの商人』の重要なモチーフの一つともなった複利の恐ろしさである。では、なぜこのような仕組を人は創りだしたのか。やはり時間の価値創造機能を認めていたからではないだろうか。


ここで冒頭の質問に戻る。


私なら、今もらえる100万円を取る。実質的には難しいのだけれど、世界一の投資家ウォーレン・バフェット氏の経営するバークシャー・ハザウェイ社に投資すれば、おそらく一年後には120万を超えるはずだから。ちなみに同社株価のこの15年間の平均成長率は25%である。つまり同社に投資すれば、1年後には少なくとも125万になっている可能性が高い(投資のための手数料、為替変動による影響はないものとします)。逆にこうした投資先を知らない人なら1年後の確実な120万を取るべきだろう。


知識とわずかな知恵があれば、人とは違う選択肢を選ぶことができる。自分の持てる知識と知恵をフルに使って、時間をかけて、創造する価値。その価値がどれだけ多くの人に認められるのか、あるいは数は少なくとも、その価値を認めてくれる人たちがどれだけ高い評価をしてくれるのか。それによって人が一生の間に手にすることのできる対価が決まるのだと思う。


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