団塊が求めるフィットネスクラブとは


1300〜2000平米でプールなし


フィットネスクラブ『ワウディー』が今後、集中的に出店を計画しているフィットネス施設の基本コンセプトがこれ。ターゲットは団塊世代に設定するという。はたしてこのパッケージが成功するかどうか。


面積でみれば大型のフル装備フィットネスクラブの半分程度。プールを持たないことでイニシャルコストは大幅に下がるだろう。何しろプール、それも温水プールはフィットネスクラブの建設コストに大きな影響を与える。また特に温水設定時にはランニングでかかってくる燃料コストもバカにならない。


そのプールを持たないのだから、確かに出店しやすくはなるだろう。標準モデルは一店あたりの投資が4億で投資回収は4、5年。会員数が2500人で採算が取れるぐらいの計算をしている。ちなみに既存の施設ではレギュラー会員の会費が10,500円だ(余談だけれど、これでだいたいのコスト構造がみえてきますね)。


最近流行りの30分フィットネスと比べれば、会費はほぼ倍となる。しかし、30分フィットネスとはターゲットがはっきりと異なっているので、競合とはならない。『ワウディー』が狙うのは団塊世代なのだから競合はあくまでも従来のフルパッケージ型のフィットネスクラブとなる。


となると、どうも致命的な欠点があるように思える。それはプールと風呂がないことだ。これを作るとなるとボイラーなどの設備が必要となるためにイニシャルコストが跳ね上げる。だから岩盤浴とシャワーでお茶を濁しているのだろうが、それで団塊からの支持を得ることができるだろうか。


今後のフィットネスクラブはおそらく、効率的に健康・美容を求める人たちのための30分フィットネスと、その空間でゆったりと快適な時間消費を求める人たちのためのフルパッケージ型フィットネスに二極分化していくのではないだろうか。


二極を分けるカギとなるのは滞在時間である。フィットネスクラブで過ごせる時間がどれだけあるか。この時間がターゲットを振り分ける。今後リタイヤしていく団塊世代はいうまでもなく時間にゆとりのある人たちだ。その彼らがフィットネスクラブに求めるものは何か。


もちろん健康維持はベーシックなニーズとしてある。しかし、高い会費を払うことに見合った価値として求めるのは、持て余しがちな時間を快適に過ごせることだろう。そのためには、水に包まれることで得られる開放感は欠かせないと思う。そのためのプールであり、風呂である。


少なくとも団塊世代をメインターゲットとするならば、プールと風呂が欠かせない。どちらかといえばジムやマシンを削ってでも充実させるべきは水回りではないかと思うのだが、さて、この『ワウディー』の団塊を狙った新パッケージモデル、成功するだろうか。


フィットネス業界の新しいチャレンジとして、とりあえず注目である。




昨日のI/O

In:
『「超」手帳法/野口悠紀雄
Out:
水越浩士・神戸商工会議所会頭取材原稿

昨日の稽古:

・懸垂
・レッシュ式腹筋