タダより高いものはない
話題のソフトバンク
今回はとてもわかりやすい
「通話料¥0」
いつものように「だから買ってね」検査をしてみましょう。
→ http://gold.ap.teacup.com/frankjuso/15.html
「通話料¥0。だから替えて(買って)ね、ソフトバンクに」
こんなコピーと出会ったならば、誰もすぐに思うはずだ。「タダほど高い(恐い)ものはない」。案の定である。新聞広告の下の方には、読めないぐらい小さなポイント(文字の大きさを表わす単位のことです。ちなみに昔は級数ともいいました。どうでもいいことだけど)で、何やら書いてある。
こんなの私ぐらいの年代の人間にはまず読めない。最近では子どもたちでもゲームのやり過ぎで目を悪くしている子が多いから読めない。若い人たちは、そんなの気にしないから読まない。つまり誰も読まないことを前提としたコピーというかただし書きとなっている。
こういうのはたとえば保険の契約書だとかの最後の方に書いてある説明と同じ。要するに誰も読むはずないぐらいの小さな字ではあるけれども、それでも後で何かトラブルになった時には「ちゃんと契約書に書いてあったじゃないですか。お読みにならなかったのですか」と、すごむための仕掛けである。
読まれたくないから小さく書く。ということは、読めば、相手が知られたくないことがわかるというわけだ。ネットではいち早く、この部分に注目した書き込みがたくさん出てきた。
いわく「通話料¥0」なんてウソだとか、よく読めば「とても不便だ」とか「途中で解約したりしたら、えらいことになる」とか。
その通りでした。でも、少し考えれば当たり前のことでもある。ソフトバンクのようにインフラを整備してやっていかなければならなくて、しかも携帯電話機そのものはほとんどタダ同然で配るビジネスモデル(これを『ジレットモデル』といいましたね→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20061014/)が、最大の収益源となる通話料をゼロにしてしまったら、ビジネスそのものが成り立たない。
おさらいしておくと携帯電話ビジネスは、電話機をタダで配ることで自社と契約してもらい、通話料でがっちり利益を上げることで成立するビジネスである。だから通話料をタダにすることはあり得ない。そして、但し書きにはそれを裏付けることが書いてある。
ソフトバンク同士の通話・メールならならタダっていわれても、シェアから考えれば、自分がかける相手はたいていほかのキャリアユーザーになる。日本の携帯ユーザーがだいたい9300万人ぐらいいて、その中のソフトバンクユーザーは6分の1の1500万人ぐらいしかいないんだから。
なかなかあざといコピーだと思う。というか、人をなめているというか。
さらに続編がある。昨日(11月2日)の新聞各紙には全15段広告で、『「¥0」へのご質問にお答えします。』なるコピーだけの広告が掲載された。au、ドコモからの抗議のみならず公取委の調査をも受けての対応なのだろうが、これがまたじつに慇懃無礼調なのだ。少なくとも素直にあやまっているとか、誤解するような表現で申し訳なかったという気持ちは、まったく伝わってこない。
そして最後には「なんでもできて無料があたりまえのインターネットの常識を、ケータイでも実現したい」とあるけれど、そんなのウソでしょう。インターネットだってみんな通信コストは払っているし(光ファイバー、ケーブル、ADSLに電話回線、どれかが無料になったなんて話は聞いたことないぞ)、さらにはプロバイダーとの契約料金だって払っている。
だから、このコピーもおかしい。
おかしいとこだらけのソフトバンク、何か変である。ちゃんとした広告代理店がついているはずなのに、こんな広告を打っていたら、信用や信頼こそが決め手となるはずの通信ビジネスはやっていけないんじゃないか。
それにしてもテレビCMにまで、下の方にただし書きがあったとは、不覚にもまったく気づきませんでした。しかし、そこまでやるかね、普通。
昨日のI/O
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昨日の稽古:西部生涯スポーツセンター・ダンススタジオ
・ミット稽古(膝蹴りいろいろ・レバー狙いの左回し蹴りいろいろ)
・組手(手技のみ・顔面のみ)