メリハレ消費ってなに?


前年対比24.5%増


「結婚式場・手配」の売上高である。これは日経MJ新聞が実施している06年度版サービス業調査の結果。景気は悪くないとはいえ経済成長率にして3%足らず。人口も減っている中でのこの伸び率は、なかなかの健闘といえるだろう。


結婚式に関しては一時「ジミ婚」が流行った。徹底的にお金をかけず、お呼びするのもごく親しい人たちだけ。それでいいんじゃないかというやり方は、それ以前のドライアイス使いまくり「ゴンドラに乗って新郎新婦ご登場!」タイプのド派手型結婚式の反動だったのだろう。


ということは結婚式のやり方についても、何らかのサイクルがあるのかもしれない。とりあえず今の流行りはハウスウェディングである。やっぱり「人生で最高の一日だから」というアプローチに人は弱いのだ。


みんな、お金の使い方を相当に考えるようになってきているのだと思う。どんなときに使えばいいかをしっかり考えるというか。普段はできるだけ節約しておいて「ここぞっ」というときにパァ〜っと使うメリハリの利いた使い方。こんな消費形態が浸透しているのではないだろうか。


だから「ハレ」の日には、しっかりとお金を使う。これを称して『メリハレ』消費というらしい。もし、そうならこれからはセレモニーマーケットにチャンスがある。


もちろんこれまでもセレモニーは、生活者にとっての節目であり、お金を使ってもらいやすいタイミングだった。そこに注目したのが成人式の日のための振り袖販売だったりするわけで、呉服業界などはこの成人式マーケットがあるから辛うじて生き残ってこれたぐらいだ。


あるいはもう少し対象年齢を下げれば、やはり小学校入学関連も大きい。これなどはGMSや百貨店などの絶好のチャンスだった。今後はこうしたイベントセレモニーを誰に対して、どう仕掛けていくのかを考えることにチャンスが見えてくるように思う。


ではセレモニーマーケットの中の、どの部分にセグメントするか。ここはイベントとギフトだと思う。そしてターゲットは、やはり団塊。ここまで絞り込んだ上で、その中でのポジショニングの取り方を考えれば、いろいろな切り口があるはずだ。


いわゆるシックスポケットの4つを狙うのだから、効率も悪くない。切り口のヒントとなるのは、これからのおじいちゃん、おばあちゃんは10年前のおじいちゃん、おばあちゃんに比べてものすごく『若い』ということだろう。実年齢は60歳でも、自覚年齢は50歳前後の人が多い(もっと若いつもりの人もたくさんいる)。


その人たちにどう切り込んでいくか。


幼稚園の入園式や卒園式などでは、わっかいおばあさん(なんて言葉を使うのが失礼なぐらいの方も多い)をたくさん見かける。おじいちゃん、おばあちゃんなんて言葉がふさわしくないような人たちに対して、孫と一緒のセレモニーをどう演出していくのか。


「一生に一度」というキーワードに人は弱い。「滅多にないことだし」とお金を使うことに納得してもらえるチャンスがたくさんある。しかも、みんなと一緒では何となくヤだ、という人が増えてきている。ここが狙い目だろう。もう一つキーワードを出すなら「カスタマイズ」だと思う。


ということでメリハレ消費のキーワードは『一生に一度のためのカスタマイズ』。サービス業にとっては、ニッチではあるけれども結構豊かなマーケットが拡がっているんじゃないだろうか。



昨日のI/O

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『驚異のテレアポ成功話法/竹野恵介』
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昨日の稽古:

・懸垂
・レッシュ式腹筋