20年目の浮気
ついにやってしまった。
これだけはやってはいけない。これまで一筋に付き合ってきた相手を裏切るなんてとんでもないこと。もう十年以上、いつも私のそばにいて無理難題をものともせず、じっと無言で耐えてきてくれた相手なのにと思いつつ。
時に手荒い真似をし、あちらこちらに傷もつけてしまっている。年を重ねるごとに元のスリムで端正なプロポーションもいつしか少しずつ崩れてしまってはいる。けれども、それもまた長く深い付き合いの証。仕事に疲れた時などは、その柔らかな肌にそっと触れ、温かみのある質感に慰められることもあったにも関わらず。
とうとう『超整理手帳』に手を出してしまった。
前回のエントリーで、これまでとは手帳の使い方が変わってきたことを書いたのだけれど、GTDに使うのならもしかして、こちらの方がいいのではないかと思った結果が、20年目の浮気となってしまったわけだ。
→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20061018/1161122021
この『超整理手帳』が、実に具合がいい。手帳と名が付いてはいるものの、いわゆる手帳とは少し趣が異なる。機能的にはスケジュール表と後は紙をいれるフォルダーといった方が正解だろう。しかし、これが使いやすいのだ。
サイズはA4を4つ折りにした紙がちょうど入るサイズである。これはジャケットの内ポケットにギリギリ収まるサイズでもある。メモ帳なども一応はセットされているが、メインは8週間を見通せるスケジュール表だ。あとはここに必要に応じて、たとえばデイリーのタスクリストなどを挟み込んで使う。
これが使い勝手がよい。
まずは、常にタスクを見れること。システム手帳の場合はどうしてもカバンに入れて持ち運ぶことになる。これだとタスクリストを見るためには、一度カバンを開かなければならない。このわずかな一手間が実は大きい。ところが『超整理手帳』ならポケットから取り出して、さっと開くことができる。
さらに軽い。システム手帳を持ち運ぶのは、いろんなメモがいつもそばにあれば何かできそう、という錯覚があったからだ。が、そうしたメモが役に立つことは滅多にない。ということは、これまでは使いもしない紙を大量に持ち運んでいたことになる。
前のエントリーでも書いた通り、実際には手帳を開くのは打合せの場か、もしくは仕事場のデスクの上だけ。しかも打合せメモはプロジェクトごとのノートに書くようになっているので、打合せにシステム手帳を持っていっても、それを開くのはスケジュール確認の時だけだったのである。
スケジュール確認だけなら、以前より軽くなったとはいえ依然として重くてかさばるシステム手帳に頼る必然性はまったくない。わかってはいたのだけれど、長年の愛着があって、なかなか思い切ることができなかったのだ。しかし、浮気してみてよかった。
今のところはとりあえずデイリーのタスクリスト、GTDでいう『すぐやるリスト』と『プロジェクト』を挟んで持ち歩いている。おかげで一日に何回リストを見ているかといえば、その回数はシステム手帳時代の比ではない。サッと取り出してみれる手軽さのせいでたぶん一時間に一回はみているだろう。
リストを使う上で大切なのは、いうまでもなくできるだけこまめにチェックして、やるべきことでやれていないことを意識することにある。スケジュール票も完璧とはいえないにせよ、これまで使っていたマンスリー見開きタイプよりは具合がいい。
カバンも軽くなった。軽くなってみてシステム手帳がいかに重かったかを思い知った。これでシステム手帳を持ち歩いていた分、本を一冊は多く手元に持てるようにもなった。とりあえず良いこと尽くしである。
付け加えるなら、オリジナルのリフィルも全部A4で作ればいいから簡単だ。プリンターの紙をこれまでのようにいちいちA5に差し替える必要もない。デイリーのタスクリストなどはiCalをそのままプリントアウトして終わりである。ここにプロジェクトシートを作って持ち歩けばとか、あるいはマンダラメモを何枚か挟んでおけばとか、いろいろ考えている。
20年目の浮気、どうもやってみたよかったみたいだ。
昨日のI/O
In:
『のだめカンタービレ vol.5』
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企業ホームページリニューアル・フェーズシート