安倍首相の浅慮
復党11人。
少し前に「小泉元首相の深謀」と題したエントリーを書いた(→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20061119/1163900509)。それと対になるような動きをしているのが安倍首相だ。自民党の復党問題である。
もちろん「踏み絵」だの「けじめ」だのいろいろと体裁を整えてはいる。それなりの理論武装もしているようではある。が、図らずも中川昭一氏がいっているように本質は「昔の仲間なんやからええやないか」である。
さらに一歩突っ込むなら「参院選挙勝つためには」なのである。これを旧態依然の自民党という。要するに、目先の利益のためには何でもありなわけだ。自民党内部でどんな動きがあったのかを窺い知ることはできない。おそらくはドロドロした内紛があったのだろう。その動きに安倍首相はたぶん、絡めとられてしまったのだ。見るからにふにゃふにゃしてるもんなあ。
もとより小泉首相が再選されていれば、あり得なかった話である。それを安倍首相は、少なくとも対外的には自分の判断で行った。これは参院選挙で自民党が負ける原因となり得る。目先の数合わせに走って、国民(なんて大げさな言い方は好きじゃないけれど)にものすごい失望感を抱かせていることに気づいてないんだろうか。
タウンミーティングでのやらせなど数々の問題行動やスタンドプレイはあったにせよ、みんなが小泉首相を支持したのは「この人なら、何かを変えてくれそうだ」という期待感があったからだ。とにかく今までの自民党とは違うことをやった。これまでならやらなかったことと徹底的にやった。それで多くの人が日本の変化を肌で感じることができた。
外交的には多くの問題を抱え、時に「そんなんで大丈夫なんかいな」と思いつつも「小泉以外の誰が、ここまでできるか」といった暗黙の了解が確実に醸成されていった。ところが安倍首相はどうか。
就任直後こそ、北朝鮮の問題に日本をはじめ世界中が注目していたおかげで、何となく無難にこなせていたように思えるものの、ここへ来てリーダーシップの欠落ぶりは著しいではないか。いま党を仕切っているのは中川秀直幹事長であり、それに対抗する勢力が参院長老たちだろう。
小泉時代には息をひそめていた人たちが、大手を振って旧態依然のセリフを吐いている。それを安倍首相は手を拱いて見ている。これが今の自民党像であり、それは少なくともこの間の郵政占拠で自民党旧勢力をぶち壊すための一票を入れた人たちが、もっとも嫌う姿であるはずだ。
ここで思考実験である。仮に安倍首相が、復党問題を突っぱねていればどうなったか。
安倍さんは、少なくとも小泉氏直系の政治家であることを、強くアピールできただろう。しかも外交に関しては、今のところは小泉元首相を上回っているのだ。支持は高まったんじゃないだろうか。引いては、そうした支持が参院選挙でもいい流れとなった可能性がある。
「自民党は筋を通す党です」といったアピールをできたはずだ。ところが今回の復党問題は、小泉首相が一生懸命作り上げて来た新生自民党のイメージを決定的に傷つけたと思う。
「やっぱりな」とか「どうせな」といったあきらめムードが漂い始めている。その流れの先にあるのは「何を言うても利権を持っている人には、逆らわん方がええんか」といった長いものに巻かれろ理論へと行き着く。けれども、そんなことをしていては日本はダメになる。取り返しのつかないぐらいにボロボロの国になってしまう。
これから子どもたちが主役となっていく環境を、そんな国にはしたくない。だから今こそ民主党にがんばってもらいたいのに、こっちもこっちでシャキッとした動きをせんなあ。せっかくのチャンスなのに。
昨日のI/O
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昨日の稽古:西部生涯スポーツセンター ダンススタジオ
・型稽古
・約束組み手(相手の動きをコピーする、上段を意識する)
・ミット稽古(身体の使い方を考える)