日本が壊れ始めている

不二家問題と関テレ「あるある大事典」問題。あるいは昨年末ぐらいから世間を騒がせ続けている数々の談合事件。

日本という国では、どんなに悪いことをしても、バレなければいい。バレないためには、嘘をついてもいい。「大人」たちは、みんなそうやっている。特に偉い（と一般的に思われている）人たちほど、そんなことをしている。そんな国は壊れ始めているといっても過言ではないし、当然未来はない。

などとありきたりなことをわざわざ言いたいわけではない。ここで考えたいのは、こうした出来事は最近起こり始めたことなのか、それともこれまでにも常習的に起こっていたことが最近になって表に出るようになっただけということなのか。あるいは、その両方なのか。といった問題である。ことは日本のこれまでの繁栄にも関わる根幹的な問題である。

そうした視点から少し考えればわかるが、談合などは恐らくこれまでもずっとあったことなのだろう。不二家のような事件もこれまた、雪印の例もあることだし、すべての食品メーカーがやっていたとまではいえないにせよ、ある程度はあったはずだ。もちろんこうした問題は食品メーカーだけに限った話ではない。三菱自動車の例が示すように、あるいはガス湯沸かし機の事件が明らかにしたように、さまざまなメーカーで同じように起こっていた問題ではないのか。

さらにテレビについても同様。マスコミのやることは、ウソが入っていて当然である。なぜなら、テレビのみならずマスコミは第四の権力ともいわれるほど強大な力を持ち、基本的には「マスコミの言っていることは正しく、信じていい」という価値観が広く共有されているからだ。そんなふうに世間から信じられている組織が厳しい自己検証システムを持つはずがない（正確には持てないというべきだろう）のは、世の常である。

ということは、やはり以前から起こっていたことが、最近になって表に出るようになったと考える方が理に適っている。

ここで逆説的な考え方なのだが、だとすれば、こうした結論が導き出されはしないか。つまり、これまでの日本の繁栄は、こうした表に出ない悪事に支えられていた部分がかなりあると。もしそうならば、これまでの日本の繁栄はこれから本格的に壊れ始めるのだと。

要するに談合により不当な利益を得ることができていたからこそ、建設業界は栄えることができ、その反映のおこぼれが下請けを通じて多くの労働者に再配分されて行った。つまり談合は形を変えた税金の還付システムであったというわけだ。

あるいは食品メーカーにとっては、期限切れの材料を使うなどしてコストを抑えることができたからこそ、収益をあげることができた。その収益は従業員に分配され、あるいは税金として国に納められた上で、また国民に再配分されて行く。ほかのインチキをしていたメーカーも構造的には同じである。誤魔化しや手抜きのおかげでコストを抑えることができ、それが利益として還流していたというわけだ。

そしてマスコミは時流に応じて、いろんな業界をでっち上げデータによってもてはやすことで（納豆の前は何でしたっけ？　ココアとかこんにゃくとか、いろんなものがあったんじゃなかったっけ）、その業界にいくばくかの利益を供与する。結果的にそうした情報操作をしてくれるマスコミほどスポンサーを集めることができる。そのことによって得られる収益は、やはりいろんな形で再配分されて行く。

つまり、高度経済成長を遂げ奇跡の復興とまでいわれた日本社会は、このような悪事（ある価値観に立って評価すればの話だが）循環によって支えられていたのだと考えることが合理的ではないか。ちなみにとにかく成長第一、復興最優先でそのためなら手段を厭わず、という価値観もあり得る。そうした価値観がいわゆる護送船団方式であったり、関税による参入障壁にもつながっていたはずだ。

ところが世の中が今、急激に変化している。いうまでもなくインターネットが情報の流れを根底からくつがえしたからだ。そのために以前なら隠し通せたウソが、表に出るようになってしまった。あからさまに表に出てしまえば、いくら現在の体制にそのベースがあるとはいえ検察など司法体制が動かざるを得ない。ここで動かなければ、それこそ日本は法治国家にあらずといった烙印を海外から押されてしまう。

しかしである。これまでの繁栄を支えてきたシステムが、そうした形で強制的に変わらざるを得ないところまで追いつめられた日本は、果たして新しいシステムをもう一度創りだすことはできるのだろうか。今の状況を見ていると、そうした希望を描く余地はあまりないように思える。

むしろどうせもうダメになるのなら、取れるものがあるうちにどんな狡をしてでも自分だけは得しておかなきゃ、といったさもしい人たちが増えているように思えて仕方がない。これが杞憂であることを祈りたい。

昨日のI/O

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昨日の稽古：富雄中学校体育館

・縄跳び
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・ミット稽古（膝の抱え込みを意識した回し蹴り）
・組み手稽古