適正股上、どれぐらい?


15〜17センチから19〜22センチへ


女性用ジーンズの股上が少し長くなっている。実によい傾向である。このところの猫も杓子も状態のローライズ化には、正直なところ困っていたのだ。もちろん人前でお尻を見せちゃいかんだろ、などと道徳ジジイみたいなことをいうつもりはない。


そんなもん見せたい人は見せればよろしい。ついでにいえば、法律の範囲内で見たいと思う人は、見たらいいとも思う。片方に見せたがっている女性がいて、その反対側には見たい男性がいるのなら、需給バランスがとれているともいえる。ただしミラーマン植草教授のようなことをしちゃいけない。


すこし話が脱線するが、植草先生にはゴールデンウィークを潰された苦い想い出がある。何のことかといえば、レギュラーで受けている仕事のインタビュウィーが早稲田時代の植草教授だった。インタビューそのものはなかなか興味深い話を聞かせていただき、ネタが良いので原稿もよいものが書けた。これで今年の連休はのんびりできるわいと思っていたら、テレビでニュースが。


不幸中の幸いだったのは、できあがった情報誌の発送前だったこと。企業PR誌のトップインタビューが犯罪者ではいくらなんでもまずい。速攻、次の候補者をあたり、連休前に滑り込みで取材をかけ「じゃあ、原稿は連休明けでいいですから」となった次第。まあ、原稿料はきちっといただけたので、文句はないのだけれど。


閑話休題


このローライズからやや股上アップの要因を日経MJ新聞が分析している。そもそもローライズブームに火が点いたのは、今から5〜6年前のこと。そのころローライズで闊歩していた二十代の女性も、とうぜんそれだけお年を召されることになる。すると、どうなるか。

20代後半になると、腰回りの肉づきが気になり始める。「浅めを履くとお腹の肉がジーンズの上に載ってしまい、かえって目立ってしまう」
日経MJ新聞2月23日)


激しく同意である。


実はローライズがいかん(遺憾の方が表現として当たっているかも)と思っていたのは、どうみても似合ってない人までがおそらくは「だってぇ〜、いまわぁ、ローライズじゃなきゃぁ〜」みたいな理由で履いていたことにある。


「汝己を知れ」とはソクラテス先生の言葉である。この至言は古代ギリシア時代から現代に至るまで、あるいは哲学からファッションに至るまで通用する真理なのだ。ところが、この「己」ほど自分にとってはわかりにくいものはない。なぜなら自分の全体像を人は、鏡もしくは写真などの助けなくしてみることができないのだ。


さらに鏡を通しても、あるいは写真を通しても、そこに見えるのが本当の自分ではないことも明らかである。たとえば写真に映っているのは過去の自分であり、鏡に映っているのは左右反対の自分である。


ことは容姿・外見のことだけにとどまらない。むしろ、自分の心とか、自分の頭の中の方が、自分にとってはよりわかりにくい存在である。自分のことをわかっているつもりの自分の頭の中や自分の心を、わかる自分とは、一体どこにいるのだ?


と話がややこしくなったけれど、とりあえずファッションは自分の意見だけで決めない方がよい。自分に似合っている色なども、自分で考えている似合いの色と人から見て似合っているなといわれる色は、たいてい違う。そして時間の変化による体型の変化も計算にいれるべきだろう。もちろん時間が経っても体型がほとんど変わらず、だから意図的に若作りしているのじゃなく、若々しいスタイルが似合うようなじいさんになりたいものである。




昨日のI/O

In:
『プロフィットゾーン経営戦略/エイドリアン・J・スライウォッキー』
Out:

昨日の稽古:

・レッシュ式腹筋、腕立て、スクワット