音楽はどこで買う?
前年比56%増、535億円
2006年度の国内有料音楽配信が、ついにCDシングルを上回った。CDシングルも前年対比では4%増と健闘はしたものの、総額では508億円にとどまっている(日経産業新聞2月27日)。今年どうなるかは神のみぞ知る、ということになるのだろうが、あえて予測するならデータ配信が800億ぐらいまでは伸びるのではないだろうか。
既存の音楽流通業界にとって本丸のCDアルバムは、前年対比6%減となっている。額にすれば2900億円ぐらいだろう。
→ http://jp.ibtimes.com/article/general/070224/4628.html
つまり音楽はCDというパッケージメディアで買うものではなく、徐々にではあるけれども確実に、データ配信で買うものにシフトしつつあるということになる。その結果何が起こるのか。とりあえずはパッケージメディアの流通に関わっていた企業に淘汰の嵐が襲いかかることになる。
すでにレンタルレコードショップができ始めた時点で、いわゆる町のレコード屋さんは潰れていった。レコードは所有するモノから、テープに録音して聞くモノに変わったのだ。もちろん、レコードジャケットが気に入ってとか、あるいはこのアーティストのアルバムだけはどうしても手元に置いておきたいといった理由でレコードを買う人たちもいた。だから変化には時間がかかった。
しかし、いまや旧来イメージのレコード屋さんなんて一軒も残っていないのではないだろうか。というか、いまの二十代以下の人たちにとっては、レコード屋さんなんて言葉そのものがもしかしたら死語なのかもしれない。昔は駅前や商店街の中には必ずといっていいほどレコード屋さんはあったんだけれど。
まあ、こんな昔話は爺の戯れ言と聞き流してもらうとして、問題はこれからだろう。この先、音楽流通はどうなっていくのか。
日経産業新聞の記事によれば、とりあえずデータ配信がCDシングルを凌駕したことにはある程度うなずける理由がありそうだ。すなわち
CDシングルの多くはいわゆるA面曲とB面曲にカラオケ版を付けた3〜4曲構成で1000円前後と、カラオケを除いた一曲の実質単価は500円前後。
これに対して
パソコン向け音楽ネット配信は一曲150〜200円。
(日経産業新聞2月27日)
つまり実質単価に倍以上の差があるわけで、データ配信がCDシングルをぬくのは無理もない。これがCDアルバムとなると2000〜3000円ぐらいで10曲から15曲ぐらいになるため、まだアルバムには割安感がある。
と、ここまで書いてきた「ほんまやろな」とiTunesストアをのぞいてみると、なんとThe Rolling Stonesのアルバムダウンロードは1350円からとなっているではないか。しかもあの不朽の名作『Let It Bleed』が1350円。あれま。ちなみにAmazonで同じCDを買うなら2064円である。
これじゃ、やっぱりCDアルバムがダウンロードに取って代わられるのも時間の問題か。ダウンロードとはいえ歌詞カードも、アルバムジャケットも手に入るわけで、あとは微妙な音の違いが気になるかどうか。とはいえ、たとえばCDとダウンロードしたデータとアナログLPの音を聞き分けて「オレはこれじゃないとダメ」なんてマニアでもない限りは、やはり安いことはいいことである。
しかもダウンロードなら、欲しいと思った曲を「即」手に入れることができる。ということで音楽流通がリアルショップからデータ配信に移行するのは、逆行することのない流れということになるのだろう。
そこで興味があるのは、プロダクションサイドの変化。つまりデータ配信であれば、従来のようなCD製造プロダクションシステムも不要になる。録音設備こそプロ級のものが必要だが、いったんデータ化してしまえば、流通権もアーティストサイドが握ることができるんじゃないのか。
そうなったとき、音楽の質が今より良くなるのか、それとも悪くなるのか。そこに興味がある。
昨日のI/O
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『英辞郎ver1.0』
茂山千三郎氏インタビュー
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