有料vs無料の争い


前年対比約25%増、約3250億円


05年度の携帯コンテンツマーケットである(日経産業新聞5月28日)。携帯コンテンツといえば「着メロ」だが、着メロの市場規模は05年度に縮小に転じた。その代わり有料コンテンツとして「着うた(フル)」とかゲームなどが伸びている。


「着うたフル」やゲームなどデータ量の多いサービスが成長している理由は、携帯の高速化に加えてデータ通信の料金定額化にある。2002年度から携帯コンテンツ市場は右肩上がりの成長を続けていて、この4年間でマーケットサイズは約2倍に広がった。その伸び具合をみていると、これからも順調に伸びていくのではないかと思う反面、果たしていつまでコンテンツの有料モデルが成立するのだろうかと疑問に思わないでもない。


有料コンテンツの盛衰に関してはネットの先行事例があるからだ。


PCでのネット接続モデルでも、当初はコンテンツ課金型システムがいろいろ登場した。が、それらは軒並み廃れてきている。ネット上のコンテンツはタダ、これがユーザーサイドの基本認識である。その代わりコンテンツはユーザーも一緒になって作ってあげましょう、そうやってアクセスを集めたら、お金は広告を出すスポンサーからもらったらよろしモデルが、ネットビジネスの王道である。


そこに至る過程では、ユーザーリテラシーの向上、通信回線の高速化、ネット接続料金の低額/定額化などが前提条件となっていた。逆にいえばこうした条件が整わない限りは『コンテンツ無料/収益は広告で』モデルは成立しなかったとも考えられる。


ということは、今まさにケータイの世界でも『コンテンツ無料/収益は広告で』モデルが成立するための条件が整いつつある。その兆しはすでに顕在化している。DeNAが運営するサイト「モバゲータウン」だ。ここに用意されているゲームはすべて無料である。ではDeNAはどうやって収益を得ているのか。


無料で質の高いゲームを提供する=多数の(特定の嗜好性を持った)Accessユーザーを集める=そうしたユーザーをターゲットとする企業にとって高い媒体価値をもったサイトとなる=広告出稿を獲得できる。これだ。


このモデルはGoogleを頂点に、Yahoo!mixiYouTubeもみ〜んな同じ。ということは、いずれはケータイコンテンツも無料化へとシフトしていくのだろうか。個人的には、ケータイの画面が今の倍ぐらいにならない限りは、案外有料コンテンツも生き残りそうな気がする。理由は二点ある。


まず第一には、画面サイズの問題である。いまauを使っていて(アウ族というのだそうですね、auユーザーのことを)、端末はW51Sである。そこそこ画面は大きいが、それでもノートPCなどとは比べるべくもない。アクセスするのは無料コンテンツばかりだが、ここでうざいのが広告である。


特に利用頻度の高い乗り換え案内などでは、このヘッダー広告が実に鬱陶しい。たまたま最寄り駅が「学園前」である。この「学園前」なる駅は全国にいくつもあるようで、検索をかけるたびにどこの学園前なのかを選べと指示される。そこでついクリックしてしまうといかんのだ。うかつにクリックするエリアがヘッダー広告となっているケースが多々ある。


単純にこちらが注意すればいいだけの問題なのかもしれないが、これはユーザビリティを著しく阻害している。ケータイの小さな画面と、その中を動きのやや悪いポインタを使って、どこをクリックするするか選択しなければならないことから起こるプチ悲劇である。この「あっ、また、いらんサイト、クリックしてもた」的脱力感を免れるためなら、月額100円ぐらいまでなら払ってもいいぞと思わぬでもない。


しかもケータイの場合は課金&支払いシステムが一体化している。パソコン経由のネット通販なら、とりあえずはクレジットカードを手元に置いておかないと支払いを済ませることができない。おまけにカードを使うときには一応、フィッシング等の詐欺は大丈夫なのかと心配もしなければならない。


これがケータイなら、そんな面倒な手続きも心配も一切不要である。集金はケータイ各社がやってくれるんだから、それに任せておけばいい。この手軽さがケータイでの有料コンテンツを後押ししていることも間違いないだろう。


だからケータイが今のままである限りは、パソコン&ネットのように一気に無料化が進むとは思えない。当面は有料コンテンツも十分にアリだろう。しかし、それが未来永劫に渡って続くとも考えられない。おそらくケータイメーカーのロードマップには、今の倍ぐらいの画面サイズ&今の半分ぐらいの薄さ&軽さのケータイがマッピングされているはずだ。


期待も込めて言うならば、Googleと提携しているauが画期的に使いやすいインプットデバイス付きの「薄・軽・モニターでか」ケータイを出してくれるはずだ。となったときには、おそらくケータイコンテンツは一気に無料化へと急激に流れを変えずはずだ。ということを読んでビジネス展開できるかどうか。


個人的には遂にケータイでもGoogleに取り込まれてしまったことが、やや恐ろしくはあるのだけれど。


昨日のI/O

In:
『究極の勝利/清宮克幸
指導力清宮克幸
Out:
某社ソフト添付小冊子原稿
メルマガ
えきペディア代理店契約マニュアル

昨日の稽古:富雄中学校体育館

・マット運動(受け身を中心として)
・基本稽古
・ミット稽古(前蹴りのバリエーション)
・型稽古(裏太極一、足技太極一)
・組手稽古